成川ジローの愛すべき○○ブログ(ネタバレあり)

管理人である成川ジローが愛すべき映画やアニメを格闘技、プロレスに絡めたりもして語るブログ。

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ある殺し屋

 今回も古い邦画。見たきっかけは自分の好きなジョニー・トー監督について熱く紹介しているブログの管理人さんの2009年(に見た映画)ベスト10の中にランクインしていたから。ちなみにそのランキングは

10位『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
 9位『ある殺し屋』
 8位『ウォッチメン』
 7位『天使の眼、野獣の街』
 6位『グラン・トリノ』
 5位『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
 4位『イングロリアス・バスターズ』
 3位『チョコレート・ファイター』
 2位『狼は天使の匂い』
 1位『文雀 スリ』

 と、自分としては中々共感できる部分もあるもんだから、多分自分にも合う。だから自分が見てない奴も見ていこうと思う。2位5位7位のが見てなくて他のは見て大分楽しめたし。とにかく、その9位の『ある殺し屋』を紹介。



邦題『ある殺し屋』
1967/日本/82分
監督 森一生
出演 市川雷蔵、野川由美子、成田三樹夫、小池朝雄

ポスター

 和製フィルムノワールの傑作と言うことで、「日本のノワールってのはどんなもんじゃい」って半ば疑惑、半ば期待の目で見てみたら、なんだよ。面白いじゃないの。

 制作は今は無き大映

大映

 角川映画になった訳だけど、大映が無くなったっていうのは何か、昔の日本映画産業は豊かだったなぁって、別に世代でもないのに感じてしまう。大映の映画で見たことあるのは『Shall we ダンス?』と三池崇史監督の『DEAD OR ALIVE 犯罪者』のシリーズくらいだ。


 原作は藤原審爾の小説『前夜』。ある小さな小料理屋の主人の塩沢は、裏では腕利きの殺し屋として名が知られていた。ある日、暴力団から敵対暴力団の組長を殺して欲しいとの依頼を受ける。一度は断ったものの、組長の木村に直々に頼みに来られ、2000万で依頼を受ける事にする。ガードの固い敵対暴力団の組長だったが、塩沢は見事な腕前で依頼を完了させた。その仕事の手際と報酬の良さに惹かれ、木村の部下だった前田は塩沢に弟子にしてくれと付きまとい、偶然塩沢と出会い金の臭いを嗅ぎ取った調子の良い女、圭子は塩沢に強引に近づき、3人で2億の仕事をすることになったのだが……。

 駅からタクシーを拾い、何も無い荒野のようなところで降りて何かを調べるように辺りの地形を調べていき、寂しい墓場を歩く塩沢。ぼろい雰囲気のある貸家にたどり着く。そこの管理人のお婆さんに案内され、窓からは墓場しか見えない殺風景な部屋を紹介されるが、塩沢はそこを借りる。そして一人になり、かばんから赤地の布にくるまれたものを出し、畳に広げてタイトル。

タイトル

 この流れ、滅茶苦茶格好良い。。。

 そこからは市川雷蔵がひたすら格好良い映画。
 普段は無口でどーみても普通の真面目なサラリーマンの様にしか見えない殺し屋・塩沢を市川雷蔵が、もう男も惚れてしまう程の渋さ。

市川雷蔵

 何事にも動じることなく、プロの仕事をこなす。まるで完璧超人だ。


 塩沢のところに転がり込んでくる女。なんかチャキチャキしてて、逞しくて、わがままで、綺麗で、「アタイ」って言葉がとても似合っていて何とも時代を感じさせる「現代的」な女だった。

野川由美子

 なんか見てて飽きない。菊地秀行の『エイリアン』シリーズの太宰ゆきに近いものがあると思った。


 塩沢に弟子入りを求める、野心家のヤクザ、前田。成田三樹夫。

成田三樹夫

 こいつがまた自信があるんだかないんだかわからなくて、なんて表現して良いかわからない良さを持つキャラ。最後の台詞は市川雷蔵が格好良くて痺れたところをこいつが持って行ってしまう。ずるい!だがそこが良い!


 木村組組長。小池朝雄。

組長

 この組長も良い味だしてたな。自分が以前バイトしていたところの常連さんにちょっと似てる気がする。


 特に良かったのがこの、前田が塩沢に銃を突きつけるシーン。

眼力

 これでも全く動じない塩沢が格好良すぎる。全てわかっていてなお許す塩沢に、前田はまた兄貴と呼び出す始末。そういう前田も人間味があって凄い良い。

 あと、気になったシーン。

セット撮影

 前田が塩沢に仕事を頼むシーンなんだけど、これセット撮影っぽい。照明の当て具合とかが良い雰囲気を出してた。上手いと思う。

 クライマックスの墓場の喧嘩シーンは主人公を煽りで撮ると言うのが見難いけど、臨場感あって良かった。まあ自分は絶対こういう撮り方はしないだろうなと思う。使うとしても一瞬。

 全体的にやはり市川雷蔵を中心にした三人のキャラがそれぞれ楽しい。セリフのひとつひとつも時代がかっていて面白みがある。最後の塩沢の台詞の格好良さと、その直後の前田の台詞の格好良さというか、卑怯具合というか、反則級の良さがある。
 不満があるとすれば、主人公がミステリアスなのも魅力なんだけど、ミステリアス過ぎて、何考えてこの仕事受けたのかわからないところ。金に執着もないし、どうして殺し屋をやっているんだろう……。ただ仕事として淡々とこなしているというのも格好良いけどね。途中の戦争で戦友を失って生き残ったような事を示すシーン以外、背景が全く語られないので、とても気になる。原作も読んで見ようかと思った。やっぱり映画が良いと原作は見てみたくなります。

 この映画の続編もあるらしいのでそちらも見てみようと思う。市川雷蔵も成田三樹夫もとても良い味のある役者だったが、どちらも早くに亡くなってしまったらしい。惜しい。このシリーズはもっともっと見たいと思う。。。



愛すべき名場面
○オープニング
○圭子の登場シーン
○塩沢の一つ目の仕事
○前田の裏切り
○墓場での喧嘩シーン
○喧嘩後の塩沢と前田

愛すべき名台詞
○色と仕事のけじめのつかねえ男はごめんだな
○女は色と仕事のけじめがつかねえ。ごめんだな。


評価
★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓


ある殺し屋 [DVD]ある殺し屋 [DVD]
(2004/08/27)
市川雷蔵藤原審爾

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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/06/01(火) 20:50:43|
  2. 映画-邦画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

個人的にはまあまあおもしろかったな
時系列をばらした作りってあの頃の日本映画ではなかなか珍しい気がする
あのアパートのロケーション、部屋の殺風景っぷり、素晴らしいよねえ
なんか個人的にはオープニングが一番引き込まれたというか期待のピークだった

仕事を頼むとこって橋のシーンだっけ?たしかにあそこのライティングおもしろかったな

雷蔵の背景についてはたしかに描写が少なすぎる気はするがあんまり語られすぎても興ざめしてしまうので個人的には悩ましいところかな
戦争の記憶がまだ強く残っていた公開当時はあれだけの描写でも観客は察することができたんだろうなあとは思う
要するに特攻隊員だった過去の呪縛から逃れられい時代の負け犬が社会の悪を憎んで殺し屋をやっているんだろうというのが個人的解釈

続編は未見だけどあまり評判は良くないらしいね。
監督の森一生は三隅研次、市川昆、増村保造といった大映の監督陣の中では個人的に個性がよくわからない(というか没個性的というか比較的薄味演出な気はする)人なんで三隅さんとかが撮ってたらどうだったんだろう、もっとおもしろかったんじゃないかなーと思ったりする

雷蔵は眠狂四郎シリーズ、成田三樹夫は柳生一族の陰謀がおすすめ!
特に柳生~では成田さん、白塗りの公家でおじゃるおじゃる言ってるのに剣を持たせれば柳生十兵衛(千葉真一)の配下を一人で壊滅させてしまうほどの達人というなんだかよくわからないけれど凄い人の役を怪演している
  1. 2010/06/02(水) 01:06:35 |
  2. URL |
  3. かと #-
  4. [ 編集 ]

多分橋だと思います

橋のようなところで話してるんですけど、二人がアップで、後ろは真っ黒。車の音とかは後入れしたみたいな感じで、ライトが色もそうなんですけど、とても妙な雰囲気出してて面白かったです。
オープニングもそうですが、雰囲気映画といえばそうなのかもしれないですよね。

雷蔵の過去を語りすぎるのは興冷めなんですけど、もう少しチラ見せして欲しかったと思います。そこらへんの調節が微妙なのはわかるんですけど、いくらなんでも謎すぎて(^^;
自分は特攻隊で生き残っちゃって、死の感覚が訳わからなくなっちゃって「死」に触れていられる殺し屋なんて稼業を虚無的に続けているって無駄に中二的な解釈をしました笑

続編評判悪いんですか……他の監督も、基本的に日本の古い映画を全然見てないんでわからないですけど、この森監督は、地味な感じが味なんじゃないですかね?

成田三樹夫、文章だけで笑いました。機会があったら見てみます!
  1. 2010/06/03(木) 19:36:03 |
  2. URL |
  3. 成川ジロー #-
  4. [ 編集 ]

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Author:成川ジロー
暴力は嫌い。
お酒も嫌い。
女性に弱い。
お金は無い。
誠意はある。

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五つ星=★★★★★が最高評価です。

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