成川ジローの愛すべき○○ブログ(ネタバレあり)

管理人である成川ジローが愛すべき映画やアニメを格闘技、プロレスに絡めたりもして語るブログ。

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ハート・ロッカー

 アカデミー賞の作品賞は『アバター』、長編アニメ賞は『カールじいさん』に取って欲しい。そして日本アカデミー賞は全部『ディア・ドクター』に取って欲しい。
 そう思っていたけど、『カールじいさん』しか思い通りにならなかった。自分が見て良かった作品の、その対抗作品をほとんど見てないからなんとも言えんのだけど、アカデミー賞の作品賞に関しては競ってた『ハート・ロッカー』と『アバター』は受賞式の前に二本とも見てて『アバター』の方が楽しかったから取って欲しかったなと思うのである。楽しいだけじゃ作品賞は取れないのか……




邦題『ハート・ロッカー』
原題『The Hurt Locker』
2009/アメリカ/131分
監督 キャスリン・ビグロー
出演 ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、ガイ・ピアース、レイフ・ファインズ、デビット・モース

ハートロッカー洋版パッケージ

 
 自分は結構戦争映画というものが好き。こう書くと危ない人とか、暴力的とか誤解されてしまう気がするんだけれども、戦争という極限状態の中の人間ドラマ、すぐ近くに死がある状況に置かれた人間に、自分は興味が惹かれるし感動してしまう事があるのは事実だ。一時期は「戦場の兵士の心理」を卒論にしようと思っていたほどだ。心理学専攻に入るための中々厳しい面接で落とされてしまったんでやらなかったけど。
 だから『プライベート・ライアン』や『ブラックホーク・ダウン』はかなり好きだし、『セントアンナの奇跡』も良かった。『ピエロの赤い鼻』や『ライフ・イズ・ビューティフル』とかの少し趣の違う戦争映画も大好きだ。これらを「アメリカの軍国主義のプロパガンダ映画だ!」と言ってまともに見ずに批判するのは間違っているとは思うし、自分の中でアメリカが正義でその敵が悪という様な単純な正義と悪の図式として認識してしまう程自分は純粋じゃない。結構ひねくれている。それに自分は平和主義者だ。

 そんで今回の『ハート・ロッカー』。物語はアメリカ軍爆弾解体班の死と隣合わせながらも爆弾を解体し続ける非日常な日常を描いたドキュメンタリー的なフィクション。自分が興味のある兵士の戦場の心理という観点からすればど真ん中。ちなみに「ハート・ロッカー」とはアメリカ軍の隠語で「苦痛の極限地帯」「棺桶」を意味するらしい。
 しかもフライヤーなどを見るにあらゆる評価がとても高いので、とても期待して映画館に見に行ったのだが、なんとも言えないというのが正直な感想。つまらなくはない、でも、うーん。自分はこの映画をちゃんと理解できなかったのだろうか?映画のテーマは爆弾解体班の話と言うよりも、戦場で死と隣り合わせの仕事に付く者の心理、精神状態への影響。ある意味PTSDなのかな?趣は違えど観点は『ジャーヘッド』が近いかな。まあ爆弾解体自体はほとんどの場合が特に苦戦することなくあっさり解体できているんだけどね。

 とりあえず自分がこの映画をちゃんと理解できなかった原因の一つが、登場人物の誰にも感情移入が出来なかったこと。
 特に主人公のジェームズ。爆弾解体班班長。

ジェームズ

 戦場にいて、さらに爆弾解体班という死にかなり近い状況にいて、だんだんと正常ではなくなっていくと言うのなら感情移入できたと思う。と言うか、そういう描き方にすべきだったんじゃないだろうか。最初からスリルを求めて戦場に来ているような性格の人物であり、最初から「こいつは自分とは違う」と判ってしまって、全く感情移入できない。これはもしかしたら自分が兵役の無い日本人だからなのだろうか?

 このジェームズが戦場または爆弾解体での過剰な高揚感の体験で、普通の幸せな家庭のある生活では何か満足できないでいる人物であることは、無謀とも思える爆弾解体を繰り返したり、劇中の「人を殺しかけたものを集めるのが好き」的な発言や、ベッカムが生きていたのにも関わらず特になんの反応もせず無視するシーン(死んでいた方が戦場での高揚感を味わうことの合理化ができる)などからわかる。家に帰ってからの、スーパーでたくさんあるシリアルを目の前に困惑してしまうシーンも、普通の生活に違和感を感じてしまう事をあらわしているんだろう。
 この人はおそらく、生涯軍人として戦う事の高揚感を求め続けるのだろう。最後も結局幸せそうな家庭があるのにも関わらず戦場に舞い戻ってきて、任期のカウントダウンが再開して終わる。
 一度体感してしまったら、忘れられないスリル。映画冒頭にもフライヤーにも書かれている「WAR IS A DRUG」という言葉にあるとおり、何かを壊され、病み付きになってしまうのだろう。ただ、自分としては、「ああ。そうなってしまうんだな」としか思えず、共感はできないし、自分とは別の世界の人物のようにも思えてしまう。平和ボケしてるのかもね。


 そんなジェームズの部下となるサンボーン。

サンボーン

 ジェームズを「このウォージャンキーマジ勘弁してくれ」と思っているから、この人はまだ感情移入できる方かも。ただ、サンボーンとジェームズが酔っ払って殴り合って、仲直りしてるのかな?って思ったら馬乗りされたサンボーン突然ナイフを出してマジギレして、でもその直後では肩を借りなきゃ歩けないくらい泥酔してて……この一連の流れはなんだったんだろう?


 もう一人の部下。オーウェンと呼ばれながらも何故か字幕ではエルドリッジと書かれる人。

オーウェン・エルドリッジ

 現場に慣れれずにいて、カウンセリングも受けてる一番不安定な人。ただ、あんまり目立たない。初めて敵を銃で撃ったことで高揚感を得てしまったからか、その後のジェームズの無茶な作戦の提案に賛同し、負傷し、文句を言いながら前線から離れる。そこら辺が急すぎて「え、なんだこいつ?」ってなってしまった。あとからよくよく考えてみれば理解できる気もするんだが……。

 この3人がメインキャスト。だいたい何処でもこの3人が完璧な演技をしたと評価されているけど、まぁ普通だったとしか自分は思わなかった。他の人ではできないって程では無いんじゃない?って言うのが正直な感想。

 サブキャラにガイ・ピアース、レイフ・ファインズ、デビット・モースという結構豪華な人たち使ってるんだけど、ガイ・ピアースはまだともかく、他はなんか勿体無いとしか思えない使い方だったな。デビット・モースの演技、好きなんだけども、誰でも良い役どころじゃん。


 ちょっと疑問に思ったシーンをいくつか。
 まずジェームズが赴任してからの最初の爆弾解体のシーン。

爆弾に囲まれる

 この爆弾に囲まれてしまっている状況をもうちょっと面白く描けなかったのか……えらく簡単に解体(無力化)できちゃったし、あとこの後のシーンでなんで突然車が暴走してきたの?なんでジェームズの前で止まったのもわからない。なんだったんだろう。

 この映画の見所であるスナイパーとの対決シーン。

バレットでの狙撃銃

 爆弾解体班の映画で狙撃対決が見所ってどうなの?みたいな突っ込みはあるけれど、緊張感があって、リアルで、中々上出来なスナイパーシーンだったとは思う。ただ、やっぱろこのシーンを入れるより、もっとギリギリの爆弾解体のシーンを入れた方が良かったんじゃないか。爆弾解体自体が全体的にあっさりし過ぎの印象なんだが。。。ここを敵を殺して高揚感を得るシーンにするならばもっと距離を近くした方が良いと思うし。敵が単なる的と変わらない距離、描き方で良いのだろうか?

 そして最後の爆弾解体のシーン。

最後の爆弾

 ここで、アラブ系の(おそらく罪の無い)人が敵に人間爆弾にされて出てきて、アメリカ軍のジェームズが爆弾解体しようとすると言う図式は、監督が意識したかどうかしらないが、イラク戦争を正当化するようなシーンになってしまわないだろうか?アメリカ人悪くない。そして敵は悪いみたいに。映画的にも急にこのシーンが入ってきて、ただ失敗して、またすぐ他のシーンに行く、とって付けたようなシーン。
 せっかく任期中最後の爆弾解体シーンなんだから、失敗するのは良いとしても、なんか他の描き方無かったのかな。代替案思いつかないけどさ。


 演出では、素早いカット回しと素早いズーム、引きの多用で何処に敵がいるのかわからない戦場の臨場感と緊張感、爆弾解体のプレッシャーを上手く表現できていたと思う。
 だが、そればかり、と言うよりも常にそんな感じで話は進んでいくので、正直くどい。もっと緩急を付けるべきだったと思う。ただ、戦場では常にそういう休まらない状況が続くと言うのを狙った演出なのかもしれない。実際この映画を見た人はほとんど「疲れた」と言う感想があるだろうが、それがまさに狙いのようにも感じる。それが良いのか悪いのか知らないが。

 この映画を女性が作ったと言うことは本当に驚き。こんな映画を作れる女性がいるのかと、今でも信じられないくらい。どう考えても男の映画なんだけどな(^^;

 とりあえず、もう一度見てみたいとは思う。アカデミー賞って言われると疑問。まぁ『ディパーデット』とか『スラムドッグミリオネア』もアカデミー賞取ってるから、いまいち訳のわからない賞と言う印象がぬぐえないけど。 
 自分は映画というものには社会派などの真面目なのも否定しないが、楽しませると言うこと、エンターテイメントと言うことも同じくらい重要な因子だと思う。一個前はアメコミというジャンルを超えた!と言われた素晴らしい映画『ダーク・ナイト』が作品賞取れなかったし、今回は3Dと言う新しいスタイルを広め、興行記録も塗り替えた『アバター』が取れなかった。どちらも半端無いエンターテイメント作品だ。この二つが取れなかったという事実はでかい。

 人を撃ち殺すことが無かったとしても、戦争と言う環境が人間を壊す。それはわかってる。ただこの『ハート・ロッカー』、絶対に日本人ウケはしないでしょ。


愛すべき名場面
○単なる見物人でさえ敵に見えてしまい、爆弾解体中のジェームズを援護するサンボーンとエルドリッジが焦るシーン。


愛すべき名台詞
○war is a drug


評価
★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)



予告編↓


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  1. 2010/04/23(金) 22:46:18|
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