成川ジローの愛すべき○○ブログ(ネタバレあり)

管理人である成川ジローが愛すべき映画やアニメを格闘技、プロレスに絡めたりもして語るブログ。

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東京国際映画祭 『小学校!』『一粒の麦』『そして、地に平和を』

 行っている専門がコンペ部門の招待券をくれるって言うんで、スケジュールとにらめっこしてどうにか東京国際映画祭のコンペ部門の作品を3作品見ることができました。
 簡単に言ってしまうと東京国際映画祭のコンペ部門の作品ってのは世界トップレベルの自主映画だと思う。こんな機会はめったに無いし、初めての参加なので色々期待して見に行きましたが、やっぱり凄い良い。面白いし、何より凄い刺激を受ける。



邦題『小学校!』
原題『¡PRIMARIA!』
2010/スペイン/107分
監督 イバン・ノエル
出演 フランシスコ・アルフォンシン、ホセ・ホアキン・メナ=ベルナル・ルエダ

小学校!1

 新任教師のホセ・マリアが小学校で生徒に美術を教えながら、自分自身も小学生たちの感性に触れ、その小学校で起きる事件や、多動症を煩うJJとの交流を深めていくうちに、色々な事を学んでいく。

 実際の小学校教師である人が監督・脚本と言うことで、子どもたちの生き生きとした表情や先生たちの人物描写の中途半端さ、起きる事件がとてもリアル。まあ自分には教師経験なんて無いからおそらくリアルとしか言えないんだけど、そこにある空気はとてもしっかり伝わったと思う。その人物描写や事件の中途半端さもわざと狙ってやってるんじゃないかと思えてくる。実際主人公の視点にたったとしたら、全容は知ることが出来ないだろうし。先生に変な人ばかりだったけど、実際そうなのかもしれないし。
 実際物語にするなら登場人物を絞るべきで、リアルさを求めるなら中途半端なこの形を求めるべきで、そのバランスの好みは見る人によるんだろうけど、微妙。絶妙までいかなかったと思う。単純に悪いとは言えないんだけど、引っかかりを感じる人は多そう。

 自主映画っぽさは確かにあって最初の方はテーマと言うか、描きたいことがたくさんありすぎて煩雑になり定まっていない。ただ、カメラワークの揺れが大きかったりして、ドキュメンタリーなのか物語なのかのどっちつかずだからなってしまったのかもしれないが、固定すべきだと思える箇所が多々あった。

 後半の演劇から展示会の畳みかけはとても素晴らしい。
 途中のホセ・マリアとJJの触れ合いのシーンは心温まる良いシーンだし、ほんと良い映画。ってかホセ・マリア役の人が凄い良い味を出している。

 一つ欠点に上げたいのが、劇中でときどき生徒の考える世界や先生の妄想のシーンが挟まれる部分が何度かあるんだけど、それらは別に現実と区別されてなくて、前触れもなく急に入って何事もなかったように急に現時に戻るので、わかりづらいと言うか、見づらい。何かしらの区別は付けるべきだと思った。子供の想像はまだともかく、先生の妄想だけでも。

 東京国際映画祭のコンペ部門なんて、世界トップレベルの自主映画なんだけど、やっぱり商業映画とは全然違った刺激をもらえる。良い。

小学校!2
小学校!3

愛すべき名場面
○変な女教師がホセ・マリアに迫る(?)シーン笑
○ホセ・マリアとJJの親交
○演劇と展覧会
○ラストシーン

愛すべき名台詞
○これがダリだ!

評価
★★★★




邦題『一粒の麦』
原題『DACA BOBUL NU MOARE / AKO ZRNO NE UMRE』
2010/ルーマニア=セルビア=オーストリア/118分
監督 シニツァ・ドラギン
出演 ムスタファ・ナダレヴィッチ、ダン・コンドゥラケ、フランツ・ブーフライザー、ミロス・タナスコヴィッチ、シモーナ・ストイチェスク、イオアナ・バルブ、レル・ポアレルンジ、ブライアン・ジャルディン

一粒の麦1

 コソボで売春を強いられている娘を探すルーマニア人の父親と、ルーマニアで自動車事故を起こして遺体となった息子を探すセルビア人の父親。ふたりはドナウ川で出会い、船頭が、200年前の伝説を語り始める。それは、正教会の建設が禁止されていた時代に、古い木造の教会を村に移築しようと奮闘するが失敗してしまう、ルーマニア人農民の物語だった。

 世界背景や人物背景がちょっとわからないまま話は娘を捜す父、息子の死体を引き取りに来た父、伝説とコロコロ話が変わるので、話を飲み込むまでに時間がかかり、てこずった。
 思ってたよりもそれぞれの話が絡まないのが残念だったが、ロードムービーならではの旅の感覚はスゴい良く出てるし、最後の収束感は終盤で予想はできるものの、この世の物とは思えない幻想的で圧倒的な美しさがある。入りづらく、ちょっとテンポ悪いかなと思えた中盤とかもどうでも良くなっちゃう様な良さはあるなと思う。あまり救いの無い物語ではあるけれど。

 こういうのをテンポ良くして、ライトにしたものが好きなんだが、自分の中でそうしたもののトップに位置してるのが『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』だと思う。この映画のジプシーたちと一緒に入れられた留置所からの脱出シーンや、協会関係者に変装するようなコミカルな部分には同じ匂いがあった。

 それぞれのキャラは良いキャラなんだけど、肝心の親父二人の人物描写にもっと力を入れるべきだったとは思う。あと拳銃のエピソードももっと面白く出来た気がして、勿体無い気がした。
 蛇足な話ではあるけど、父親の形見の拳銃がワルサーP99ってのは、新しすぎて違和感が……。

一粒の麦2
一粒の麦3

愛すべき名場面
○シスターと牧師に変装するシーン
○ジプシーと一緒に脱走するシーン
○ラストシーン

愛すべき名台詞
特に無し

評価
★★★☆




邦題『そして、地に平和を』
原題『Et In Terra Pax』
2010/イタリア/89分
監督 マッテオ・ボトルーニョ、ダニエレ・コルッチーニ
出演 マウリツィオ・テセイ、ウゲッタ・ドノラシェンツォ、ミケーレ・ボトルーニョ、ファビオ・ゴミエーロ、ジェルマノ・ジェンティーレ、シモーネ・クリザーリ、リッカルド・フラミニ、パオロ・ペリネッリ

そして地に平和を1

 元服役囚のマルコは、昔の友人グラウコとマウロに誘われ、一度は断ったものの再びコカインの取引を始める。ファウスティーノ、マッシモ、そしてフェデリコは、ドラッグに溢れた怠惰な日々を過ごしている。ソニアは大学生だが、カジノクラブで働いている。ほんの些細な出来事によって、彼らは火事や流血、そして暴力の痕跡を残すことになる。

 暴力の果てにあるものを描いていると思う。
 暴力の力の強さ。強すぎる力。その負の連鎖と末路。希望の無さ。

 警察を敵視して、警察がやってくることにより犯罪に手を染めている自分達が住みにくくなるのを誤魔化し、「警察無しで解決する!」とソニアのレイプ事件を自分達だけで解決しようとするグラウコとマウロらが滑稽に見えて仕方なかった。大義名分を掲げてはいるが、彼らは本当はソニアの事なんて考えていない、ソニアの事をきっかけに自分達が暴れたいだけなのだ。自分達の事だけしか考えて無い。そういう人間達が警察の代わりに暴力装置になろうとするが、マルコの爆発によって締められる。この後、彼らはどうなっていくのか?

 3人組の描写は何かフランスやイギリスの映画によくありがちな気がした。退屈でイライラしてドラッグに手を出している若者達。『トレイン・スポッティング』辺りがまさにそうだし、そいつらだけにスポットを当てたらよくある映画になるんだろうけど、それを多数の視点から描いた事でこの映画のクオリティが上がっているんだと思う。自分もこういう多数の視点から描くというのは好き。ただ、マルコの立ち位置をもっとわかりやすくして欲しかった。行動する事を諦め、傍観者でいるのかと思いきや、麻薬を売り始める。それは行動してしまっているのではないか?あと、この街を捨てたよいう人物もちょっとわかりにくかった。

 暴力論の映画は、自分が卒論で取り扱ったテーマでもあるからか、とても惹きつけられる。人間を魅了してやまないものが暴力だし、切っても切れないものでもある。愛と同じく人間の永遠のテーマなんだろうな。

 この映画だけ終電とはかけ離れた時間に見ることができたので、本編後のQ&Aに参加できた。イタリア映画が昔から好きと言う滅茶苦茶格好良いおじいさんとかが質問してて、とても面白かった。ってかマルコ役の人がリアルで怖い笑

そして地に平和を2
そして地に平和を3


愛すべき名場面
○ソニアが巻き込まれる事件のシーン
○ラストシーン

愛すべき名台詞
特に無し

評価
★★★★
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/10/30(土) 18:26:19|
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暴力は嫌い。
お酒も嫌い。
女性に弱い。
お金は無い。
誠意はある。

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五つ星=★★★★★が最高評価です。

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