成川ジローの愛すべき○○ブログ(ネタバレあり)

管理人である成川ジローが愛すべき映画やアニメを格闘技、プロレスに絡めたりもして語るブログ。

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インセプション

 ノーランだからって楽しみにして見に行ったら好きな役者はたくさん出てるし、実験的な映像は凄いし、相変わらずノーラン哲学は興味深いし、ちょっと中二なアイディアも面白い、びっくり箱のような嬉しい楽しい作品でした。最高。
 まだ見てない人は劇場に行ってみてきてください。そうしてからこのレビューは読んでください。ネタバレばんばんありますよ。

邦題『インセプション』
原題『Inception』
2010/アメリカ/148分
監督 クリストファー・ノーラン
出演 レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、エレン・ペイジ、トム・ハーディ、キリアン・マーフィー、トム・ベレンジャー、マリオン・コティヤール、マイケル・ケイン

ポスター

 主人公のコブは目標の夢の中に入り込み、潜在意識の情報を盗み取る特殊なスパイ<エキストラクター>のエキスパートだったが、ある任務でサイトーという大企業のトップの夢に入り込むが自分の抱えているトラウマが障害となり失敗。依頼主であるコボル社は失敗を許さず、命を狙われるようになるがサイトーはコブを高く評価し、匿い、逆にコブにライバル会社を壊滅させるアイディアの盗むではなく<インセプション>(植え付け)の任務を依頼する。コブはある理由から相棒のアーサーの制止も聞かずに引き受け、必要な人員をを探し始める。

 設定やキャラの行動に細かい粗はいくつもあるものの、そんなん関係ねえっていうくらいの勢いのある映画。最初の20分くらい、設定を理解するまでは何をやっているのかわからない部分はあるだろうけど、だいたいの設定が理解できたらもう勝ち。後は面白いアイディア、圧倒的な映像、怒濤の展開、腹に来る音響、魅力的なキャラ、とても人間的なドラマに彩られたこの映画の世界に引き込まれる。これはマジで面白い。自分は作戦会議辺りからワクワク感がハンパなくなってきて、それ以降はもう面白くて仕方なかった。やばい。これの監督、脚本、プデューサーやってるノーランマジで凄い。二時間超えてる映画なのにまだみたいと思わせ、見終わっても興奮冷めやらぬ感覚は個人的には『ダーク・ナイト』以上だった。


 主人公のコブ。レオナルド・ディカプリオ。

コブ

 ある理由から離れて暮らしている子供たちのために必死に仕事をしている。だが亡き妻への想いが仕事の障害として現れてしまっている。実は物語が始まる時点ですでに脳年齢は80近い。トラウマがありながらも、子ども達への強い思いで自我を保つことができている真摯なタフガイ。
 ディカプリオはこういう余裕無くてテンパって仕事をする役ばかりになってきた気がするな(^^;)まあ合ってるから良いんだけど。合っているんだか、流石に慣れてきたんだか、『ブラッド・ダイアモンド』、『ディパーテッド』、『ワールド・オブ・ライズ』などとストレス下で仕事をしているところら辺とか性格が同じような役。立て続けにこういう役こなして来て何か銃器の扱いに長けてきた気がする。

薬きょう

 この画像は薬莢が飛んでいって周りの人に気づかれてしまわないように左手で防いで自分の足下に薬莢を落としているところ。たぶん銃とか好きじゃない人には何の動きか全然わからないと思うけど、細かい。そしてプロっぽい。


 コブの相棒のアーサー。ジョゼフ・ゴードン=レヴィット。

アーサー

 コブがこの仕事をするには支障のあるトラウマを抱えていながらもチームを組み続けサポートする優しい超絶ナイスガイ。あんな仕事にもろ障害として出てくる問題を抱えているディカプリオとは絶対に一緒に仕事したくないと思うんだが……この人それに関しては文句全然言わないのな!超良い奴!ってかちょっと甘やかしすぎだけどね!!笑 最終的にこの人への報酬はどんなもんなんだろう……?
 主人公が焦ってる分この人は冷静でスマートで、仕事にプロゆえの余裕が見えて非常に格好良い。演技も良くて、ディカプリオも悪くないんだけどディカプリオよりも印象に残る。『GIジョー』の敵の親玉だったみたいだけど、全然気付かなかった。まぁマスクしてますからね。『セントアンナの奇跡』の方で覚えてて、何かどっかで見たことある顔だなって思ってた。でもこんな良い役者だと思ってなかった。この人は良いぞ!

アーサーとアリアドネ

 印象に残りまくるここの余裕のシーン。なにこの人、格好良すぎるわ。女だったら間違いなく惚れる。


 コブと同じ教授の元で学び、今回の任務での建築士を頼まれる、女子大生のアリアドネ。エレン・ペイジ。

アリアドネ

 最初は夢を操る術などは知らず、世界観に対する観客の気持ちを代弁してくれる役。それでも観客にわからない感覚があるんだけど我々は登場人物じゃないんだからそれはまあ仕方がない。このコブとアリアドネの先生は、建築系の教授なのか、深層心理系の教授なのか、どっちなんだろう???建築系っぽいんだけど、言ってる台詞は心理系っぽいよね。
 可愛いというよりも健気な感じがする、尽くす女の子。他人の心に土足で踏み込んで来ますけど笑
 こんな世界を知っちゃったら普通の女子大生には戻れないだろうな……。


 最初は標的だったが、逆にコブたちを雇う社長。サイトー。ケン・ワタナベ。

ケン・ワタナベ

 ケン・ワタナベもかなり良い味を出してて、貫禄のある有力者を好演。ちゃんと見せ場もある。
 この人も初心者のはずで、雇い主だから傍観者の気分で見届けるために任務に同行したら計画ミスで死にかけてるのに働かされて、初めての夢入りで虚構に落ちてしまい脳年齢的には100歳くらいになってしまう不幸な苦労人。帰って来れたからまだ良かったものの、本当に可哀想。二度と夢に入ろうとは思わないだろうな(^^;)
 変に日本人と言うことを強調したアメリカ的日本人の役ではなく、この映画で普通に普通のキャラでチームの一員をやっているのを見ると、ケン・ワタナベがハリウッドに(と言うかノーランにか)認められたんだなあと思えてなんだか感慨深いものがある。日系人とかではなく純正日本人として、凄い事だ。なんか嬉しい。



 凄腕の偽装師、イームス。トム・ハーディ。

イームス

 実力は確かで余裕たっぷりに冗談をかましながらプロの仕事をするタイプ。アーサーとはある意味正反対の場所にいる感じで、アーサーのことを「想像力が無い」とか言っていたけど、アーサー自身全くそんな感じなかったし、憎まれ口を叩きながらも実は実力を認めているんじゃないだろうか。お互いに。かなり良いコンビになる思う。婦女子が喜びそうなコンビでもあるかもしれない笑 アーサーのイスの足を蹴って「キック」を説明するシーンとか良いよね。

アーサーとイームス

 アーサーの反応が何か可愛い。
 こいつも凄いキャラが立っていて、アーサーに次ぐ格好良さ。アーサーとこいつのせいで正直ディカプリオが霞んで見えます。トム・ハーディー良い仕事したなぁ。女だったら惚れる笑 『ロックンローラ』でも良かったんだけど、いまいち目立たなかったからね。
 第三階層ではイームス無双!人数では圧倒的に不利なのにときに銃弾をぶち込み、ときに爆弾を投げつけ、ときに拳を叩き込み、敵を皆殺しにして自分は全くの無傷という劇中最強の男。主人公って訳じゃないのに主人公補正がかかっているように見えちゃうくらい強いのは、第三階層がこいつの夢だったりするからだろうか。そんな腕力だけと言う訳じゃなく、ときは気の利いた冗談もをとばしたりもするし、社長親子の感動シーンを後ろで見ながら「うんうん。そろそろ良いだろ」って感じで爆破スイッチを押すこいつの顔は最高だった。
 ってか本来の仕事はコピーだから、どの階層でも必要不可欠な活躍をしているんだけどね、腕っ節で目立ちすぎ笑
 こいつが大活躍する第三階層の雪の要塞はイメージがまんまメタルギアソリッドだったなぁ。建築士のアリアドネはゲームのメタルギアソリッドの要塞を参考にしたんじゃないだろうか笑


 夢から覚めないようにしながらなおかつ合図がわかる状態で眠らせ夢の世界を安定させる鎮静剤の調合師、ユスフ。ディリープ・ラオ。

ユスフ

 第一階層では一人で戦う孤独のドライバー。文字通り土台を一人で支えてた、影の功労者。車が穴だらけになって横転して坂を転がりまくっても中のチームメンバーと自分は一発の銃弾も貰って無く、寝てるメンバーにはかすり傷一つ無いという驚異のドライビングテクニックを持つ。ってか武器拳銃だけかよ!単騎になっちゃうんだから、アーサーが持ってたアサルトライフルとか、イームスの持ってたグレネードランチャーとか持ってけよ!!

 全然知らない俳優さんだったけど、この人もあんまり目立たない位置にいるだけで、凄い良いキャラしてるんだよね。このチームは良い役者ばかりだ。
ってかこいつらの名前コードネームかな?サイトーは違うっぽいけど、他は単純というか、何かの引用みたいな名前だし。



 その難解な<インセプション>の対象である、サイトーのライバル企業の御曹司、ロバート・フィッシャー。キリアン・マーフィー。

キリアン・マーフィー

 相変わらずキリアン・マーフィーは良いなぁ。人間らしいと言うか、好きだなぁこの人。
 客観的に見れば親子の死に際に勝手な解釈を植え付けられた、真実をねじ曲げられた可哀想な人なんだが、この<インセプション>というものは、本人は植え付けられた自覚が無い(植え付けられたものを自分の内から生まれたと考え疑わない)と言う、その人の主観レベルの真実を変えてしまうものだから、上手くいってれば本人としては何にも問題無いんだよね。『攻殻機動隊GHOST IN THE SHELL』で偽装記憶を噛まされていたゴミ収集車のチバさんの相方と同じ。むしろ真実を伝えたら何も信じられなくなってしまうだろう。自分はよく、「幻聴幻覚の類がやっかいなのはその人の主観ではそれは全くの現実として体験できてしまっていること」だと思っているのだが、
この<インセプション>も本人からしてみたら全くの現実であり、劇中でも言っているが、人生を変えてしまう恐ろしい行為である。失敗したらしたでヤバい。自分のアイディアが他人に植え付けられたものであるとか言われたら自分の今までの何もかもも確実に信じられなくなってしまうから、今回の場合はキリアンはこうやっていじってくれたおかげで、むしろ幸せなのである。親父との死別がドラマチックなものとなり、納得の和解ができたのだから。人は何かを疑うよりも、思いこんでた方が幸せである。
 この後々になってコブがやってきて「いやぁ実はあれ我々の演出だったんですよwwえ?親父の本当の考え?んなもん知らんですよwww我々あなたの親父さんとは会ったことすらないですしwwww」とか言われたらロバートはマジ涙目。人間不信、自己不信の奈落に真っ逆様ですよ。モルがそうだったように、この設定上、死ぬしかない。実際にそれが正解で死んで現実に戻れても、その現実もそのうち信じられなくなってまた死ぬ。死の連鎖から逃れられない。おー怖。
 まぁ実際に親父がそう思っていたと考えられなくはない。可能性としては限りなく低いけど。


 予告編に出てこないから画像無いけど、フィッシャーの会社の重役で、キリアンからの信頼も大きく、イームスが夢の中で化けるピーター・ブラウニング役にトム・ベレンジャー。
 『スモーキンエース2』でも書いたけど老いたなぁ。完全におじいちゃんだったなぁ……山猫もいつまでも現役ではいられないか。時の流れを感じざるを得ない。


 ディカプリオの潜在意識が生み出してしまう亡き妻、モル。マリオン・コティヤール。

モル

 『ビッグフィッシュ』とか『パブリック・エネミーズ』とか『NINE』とか、最近自分が見た映画でよく見かける気がする。目の大きな人。結局『Taxi』シリーズの印象が強いんだけどね。
 <インセプション>失敗しちゃって主観世界が崩壊して死を選んでしまった悲劇のヒロインにしてラスボス。コブが全て悪いわけでは絶対に無いんだけど、コブは思いっきり罪悪感を抱えているせいで、もう毎度毎度夢に出てきて邪魔をする悪夢を具現化したみたいな存在。コブにはともかく、他のチームのメンバーにとっては迷惑極まりない。しかもそれがリーダー自身のトラウマのせいだって言うんだからたまったもんじゃないよね笑 こいつのせいで失敗しちゃったら本当に馬鹿らしく思うだろうな。


 キーアイテムであるコブのトーテム(物)。コマ。

トーテム

 現実と夢の世界の違いを認識するためのかなり重要なアイテム。アリアドネのサイコロはどういう設定で使うんだろう。ずっと転がり続けるとか、実はイカサマサイコロで6しかでないとかで、サイコロ振って6以外が出たらそれは夢だ!とか、その逆とかにして認識するのかな。他のメンバーのトーテムも見てみたかった。


 あとは脇役だけどコブとアリアドネ共通の先生、参マイルス教授。マイケル・ケイン。

マイケル・ケイン

 なんかバットマンメンバーばっかりな気がしてきた笑。この人良いよね。

 これらのキャラクターがとんでもなく魅力的なんだけど、夢世界の映像も凄い。


 特にアーサーが大活躍する第二階層。

第二階層2
第二階層1

 静止画じゃわからないけれど、第二階層のシーンはどれも凄い。いったいどうやって撮ったのだろう?
 アリアドネが初めて夢の中に来た時の街が破裂していくシーンも、夢の中の街を自由自在に創造するシーンも凄い。ここまでの映像革命は『マトリックス』以来の快挙じゃないだろうか。内容もちょっと仮想現実的なところあるしね。
 そしてクライマックス後も良い。

ラスト

 これも静止画じゃわからないけど、任務達成後のさりげなく画面にメンバーが写っている空港のシーンが格好良くて感動的で最高だった。そのときのメンバーの笑顔が良い!
 ラストシーンは議論を呼ぶだろう。謎をわざと残してこの映画は終わる。

 ディカプリオは現実に戻れたのか?と言う疑問。
 自分はまず戻れたと解釈してる。コマは止まりそうだったし。ってか個人的にはあのラストのコマは倒れてすっきり終わって欲しかったなぁ。コマ回したところでああいう含みを持たせた終わり方するんだろうなって思ったけど。大分コマをぶらせて現実に戻れたよりのエンディングにしているんだけどね。
 劇中の現実が実はディカプリオの第一階層の出来事であるって言う完全夢落ち説もあるらしいんだが、それは流石に……それ許したらもう本当になんでもありになっちゃうからなぁ……。
 これ読んでる人は一回見た人だろうから書くけど、ディカプリオは夢の中でのみ指輪をしているらしい。最後のシーンは指輪の方の手が明確に写ってるシーンは無いらしいんだけどね。
 途中の回想の子どもたちとラストの子どもたちは服装も変わっているし、全体的にも現実戻れたよりに作られてるよね。だから自分はそう解釈したし、解釈してたい。


 あと色々気になる点を語っていこう。

 ロバートは夢の中に出てきた人たちが乗客と同じ顔で疑わないのか?という疑問。
 寝る直前に見た顔が夢に出てきただけという設定がありそうだけど、一応夢の中に他者が入ってきたってことはわかってるんだから、普通は乗客のチェックするよなぁ。夢対策をしていた企業トップとしては絶対に。まぁ親との確執が取れた(つもりになってるだけだが)感動で頭も胸いっぱいだったかもしれんけど。まだ若そうだしね。
 これ人間不信気味の人たっだらまず疑う。もとより自分も信じられなくなってる人は夢自体信じられないから、自信が無く、自分のことが嫌いな人にはインセプション自体が通用しない気もするな。夢を自分の願望が形になっただけの自己満足のビジョンとしか見れないから、夢の中で起こった事に真実なんて見出せる訳無いだろ。


 全体に漂うノーランの哲学。
 モルのノイローゼとしても描かれているが、これが現実かどうかわからなく、信じられなくなってしまう症状。人間の主観の真実認識の脆さだよね。『メメント』でも似たような事は描いてたけど。人の思う真実なんて本当に脆い。じつは疑える事だらけ。上げてったらキリが無く、それらを払拭できる確信もまず見当たらない。
 言葉としては悪いけど、自分を信じれて自己満足できれば、人は幸せなんだな。そうなれない人種をいわゆる一種の非リアと呼ぶ気もする。ならばリア充とは幸せを疑いなく享受できる(願望が報われることに慣れている)人の事だろうか?まぁこの類の話を展開すると色々問題あるからここらで止めておこう。
 疑う事は哲学の基本なんだけど、ノーランの映画に染み着いてる哲学って面白いよなぁ。哲学なんてもん意識しなくても滅茶苦茶楽しめる映画に仕上げてて軽くない。一見重すぎもしない。エンターテイメントとして絶妙なバランスだわ。
 そういえばロバートが落ちた虚構は何でコブとモルが創った世界だったの?繋がってんの?って思ったけど、夢=潜在意識は皆繋がってるって事なのかな?何かユングだかフロイトだか心理学の人がそんな事言ってた気がしないでもない。門外だからよくわからないけど。


 音楽は『バットマンビギンズ』『ダーク・ナイト』と引き続きハンス・ジマー。重低音の効いたメインテーマと、覚醒前の合図として流す、エディット・ピアフの『水に流して(Non, je ne regrette rien)』が印象に残るんだが、ネットで凄いの見つけた。これにも仕掛けがあったのか……



 マジかよ!気付いた人凄いよ!!夢の中の時間が20分の1なら、音楽も20分の1で聞こえるみたいな感じで考えて曲作ったのかな。実際に20分の1倍速かはわからないけど、面白い!!

 
 最初のサイトーの夢の中での任務とか、コボル社って?って言う語りきれなかった世界背景。
 疑問は残るんだけど、それはこんな手で解決してきやがった。

http://gyao.yahoo.co.jp/special/inception/

 ここのページからインセプションエピソードゼロとしてのコミックが読めます!無論ちゃんと日本語化されてます!!まぁ読んだ感じ、コボル社の事と最初の仲間だった建築士との関係がわかってちょっとすっきりしました。



 最初にも書いたが、世界設定のだいたいを把握できてくる頃の作戦会議辺りから面白さが止まらなくなる。ノンストップエンターテイメント。粗なんてほっとけ。『クローバーフィールド』『第9地区』そしてこれと、最近のSF映画は革命的に面白い。素晴らしい作品がどんどん出てくるな。

 夢の中とか深層心理の世界に潜り込むと言うと、個人的には誰もが一度は考える中二的な発想だと思う。それだけにここまでの世界観・映画に仕上げたノーランの手腕は恐るべし。凄すぎる。と同時にその中二的発想は少し親近感笑
 日本ではノベルとして結構前からある。1993年の筒井康隆の『パプリカ』がそうだし、もっと古いと1984年にもう夢枕獏の『サイコダイバー』シリーズがある。日本で精神世界となるとサイコでグロい描写になるみたいだね。あれは活字ならではの面白さで、映像化してもあんまりだろうな……アニメ化が限界。これを機に実写映画化とかは絶対に無しで。日本でやっても今の段階じゃ格好付かないだろうしなぁ。サイコグロの実写はきついし。だいたい誰が九門鳳介をやれるのか、誰が美空をやれるのか、誰が文成仙吉をやれるのか、誰が毒島獣太をやれるのか。夢枕獏のキャラたちは三次元化してほしくない。


 とにかく、ノーランがまさに旬の今、この映画は映画館で2回以上見る価値が絶対ある。映画館で2回見る事はしないタイプの自分でも(今まで劇場で2回見たのは二本立てだった『第9地区』のみ)これは再び劇場に足を運ばねばと思ってる。
 見なきゃ損。
 天晴れノーラン!
 ノーラン万歳!!
 


愛すべき名場面
○最初に任務で夢の中の世界が崩壊していくシーン
○アリアドネに夢の中の世界を説明するシーン
○作戦会議
○ロバートの夢に潜り込む以降のほとんど

愛すべき名台詞
○「僕にキスして」「まだ見てるわ」「でも良かった」
○どうせ夢だ。ぶちかませ。

評価
★★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓



P.S.
 出てくる銃器が中々面白いものばかりだったので、『第9地区』のレビューのときににしさんから教えてもらったサイトでちゃんと調べてきました!
 という事でこのブログではたまに行われる銃器紹介。

 まずは主人公のコブの持っていた銃。

武器ベレッタpx4とグロック

 サイレンサー付けてたりしましたが大体一貫してベレッタPX4ストームと言う拳銃を使ってました。

武器ベレッタpx4

 映画で見るのは珍しい。かの有名なベレッタM92Fの後継拳銃。かなり良い拳銃らしいが、今は銃器業界も不況で米軍の採用拳銃トライアルに参加してたんだけど、トライアルそのものが凍結しちゃったんだとさ。

 画像でアーサーが持っているのはグロック17。


武器glock17
武器グロック17

 まぁこれも有名なオーストラリア産の拳銃。出た当時は珍しかった強化プラスティックをフレームに使っていて、そのせいか税関を通り抜ける事ができると言うデマが流れた。んなわけあるかい!金属部品たくさんあるしね。中々に優秀で使いやすく、ベストセラーとなり今でも改良を加えられてる良い拳銃。


 モルが持ってたのがシグザウアーP232

武器SIG-Sauer P232
武器シグザウエル P232

 発音の違いでシグザウエルとも読める。
 形がゴツゴツしてないか、映画で女性が持っていることが多い気がする。確かに上品で優雅なカーブを描いてると思う。


 第一階層でアーサーが敵に撃ってたアサルトライフルはFN SCAR。

 武器FNSCAR-L
武器FN SCAR-L

 SCARとは「Special operations forces Combat Assault Rifle:特殊部隊用戦闘突撃銃」とのことらしい。FNは会社の名前。次世代アサルトライフルの一種で、折りたたみ式且つ伸縮式でチークパッドも兼ねるストックが特徴だと思う。格好良い。

 
 イームスが使っていたグレネードランチャーはMGLと言うリボルビング・グレネードランチャー。

武器グレネードMilkor MGL

 グレネードランチャーって言うのは、簡単に言うと手榴弾を遠くに飛ばすもので、これはその弾をリボルバータイプの拳銃の様に装填するもの。よく映画で見かける。


 第三階層でのコブが持ってたスナイパーライフル。ブレイザーR93

武器Blaser R93 LRS2
武器ブレイザーr93

 あんまり詳しくないが、近未来的な外見が好き。
 画像無いけど、同じ第三階層でイームスが持って無双してたのはSIG552。

武器sig552

 この銃は高いから映画では東京マルイ製の電動ガンが使われる事が多いらしい。この映画ではどうかわからんけど。


 ほんとどーでも良いことだけど、インセプションの銃選択のセンスちょっと好きかも。 続きを読む
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/08/22(日) 13:11:43|
  2. 映画-洋画
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  4. | コメント:8

菊次郎の夏

 このブログは邦画が少ない(洋画と香港映画意外が少ない)。見たい作品はたくさんあるんだけど、洋画と香港映画ばかり見て育った自分は洋画と香港映画ほど気軽に見れないんだよね。現段階でこのブログは洋画22、香港映画19邦画16その他4。均一にしたいから、なるべくDVDは韓国映画、タイ映画、邦画を優先して見たいと思う。

邦題『菊次郎の夏』
1999/日本/121分
監督 北野武
出演 ビート武、関口雄介、グレート義太夫、井手らっきょ、今村ねずみ、他

ポスター2

 小学3年生の正男は、父親を事故で亡くし、母親は訳あって遠く離れて暮らしているため、おばあちゃんと二人で暮らしているが、おばあちゃんは働いていて、小学校も夏休みに入り、友人も家族と旅行に行ってしまったため一人ぼっちでいた。ある日、偶然家の引き出しから母親の写真を見つけ、わずかなお金を持って母親に会いに行こうと思い立つ。それを知った近所のおばさんは心配し、自分の旦那である駄目男の菊次郎に付き添ってやれと頼む。こうして中年の駄目男と少年の母親探しの旅が始まった。

 前情報なんも無しで、県立図書館か何かで借りてハードディスクに入れて半年近く経ってようやく見た。まさかこんなに良い映画だとは思いもしなかった。この映画は中年の駄目男と純粋な少年の、母親探しのロードムービー。そして同時に中年と少年の一夏のファンタジー映画だと自分は思う。ファンタジー映画。ファンタジー本来の意味からは外れてるかもしれないが、自分は『フォレスト・ガンプ一期一会』もファンタジーだと思っていて、そういうファンタジーが大好きです。

 音楽はジブリのアニメでお馴染みの久石譲が『ソナチネ』や『キッズ・リターン』『HANA-BI』と引き続きやってて、今回は北野武が結構音楽にもこだわりがあって口を出したらしく、非常に映画にあっていて、なおかつ素晴らしい音楽だった。特に良いと思う。映画始まって初っ端からそう思わされた。



 これがメインテーマ。凄い良い。最初から持ってかれた。今回はこれを聞きながら読んでください笑 


 主人公の母親を探しに旅に出る少年、正男。関口雄介。

まさお

 うーん。特に美少年という訳でもない、このちょっともやっとした感じが凄い良かった。演技も、特に台詞がたくさんある訳じゃなく、黙ってる姿、控えめな姿が多いけど、特に問題は無かった。良いと思う。


 そのたびの道ずれの、チンピラな駄目中年、菊次郎。ビート武。

菊次郎

 見事なボンクラすなあwwwでも旅の目的地に着いたときや、ところどころでボンクラなりに正男を心配しているのがとても良い。バカ野郎この野郎ばっかしだけど、後半はちょっと優しさが見える。
 強面刑事か強面ヤクザのビート武も良いが調子の良い駄目男のビート武はより良いな。どっちもろくでもないキャラではあるんだが。


 この二人組が、菊次郎がボンクラなせいで色んなところに寄り道しながら、色んな人に出会いながら母親の元へと向かう。ヒッチハイクやタクシー泥棒や徒歩などで寄る所は競輪場に始まり、居酒屋、変態がいる夜の公園(笑)ホテルのプールや海、川原、縁日などバラエティに富む。そしてそこのシーンが一々面白くて笑える。
 こういうタイプの映画は自分の褒める言葉のボキャブラリーが少なくて、「良い」としか言えず上手くこの映画の味を伝えられないのがもどかしい。とりあえず良かったと思うシーンを紹介。


 競輪場のシーン。

競輪場

 帰りだけど、途中で出会ったバイクの二人組と旅人と5人で遊ぶシーン。

5人

 この二つのシーンは個人的とても笑えて楽しくて本当にくだらなくてしょーもないんだけど、それが良い。素晴らしい。5人組でダラダラグダグダとしょーもない遊びをするシーンが最高。

 旅人は今村ねずみ。

旅人

 バイク二人組みは井出らっきょとグレード義太夫。

バイク二人組み

 どの人たちも大して知らない人だけど、良かった。今村ねずみの笑顔良いね。子役の笑顔も良いんだけど。

 ただ笑えるだけでなく、なんとも印象的なシーンも、切ないシーンもある。
 プールのシーンとかの、フェード使わずにパッパと変わっていくのが良いし、帰りの海での隠れん坊とか、

 かくれんぼ

 正男が母親を見つけるシーンとか、菊次郎が母親を見つめるシーンとか、

母を見つめるたけし

 それぞれ響くものがあるんだけどなんて言葉にすれば良いのかわからないわ。

 そして心温まるシーンも。
 菊次郎なりに正男を励まそうとするシーン。

天使の鈴

 凄い不器用な優しさでね、それがまた良いんだよな。じんわりとくる。天使の鈴、欲しい。

 あと、縁日で調子乗りすぎて菊次郎がボコボコにされたとき、正男が夜中で閉まってる薬局を叩き起こしてクスリや絆創膏を買って来るシーン。

クスリを買いに走る

 奇妙な絆。何か『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』で相方が倒れて、薬局で生まれて始めて強盗するシーンを思い出した。なんかグッと来た。


 皆と別れるラストも凄い好き。正男が走ってるのが凄い良いし。

 特にこの旅は正男にとって素晴らしい良い事があった訳じゃく、むしろショックが大きかったかもないけれど、素晴らしい夏の思い出として一生記憶に残るんだろう。そんな一夏のファンタジー。毛色は違うけど個人的にファンタジーだと思う点で、『フォレスト・ガンプ一期一会』に似た雰囲気があったように思えた。そして『フォレスト・ガンプ一期一会』並に、見終えて優しい気持ちなれる映画。途中散々笑えるのも○ 音楽の力もでかくて、本当に良い映画。多少単調なシーンがあり、個人的には刺青から悪夢見るシーン天狗のシーンとかは要らなかったように思えたけど、夏休みに特有のダラダラとした、グダグダな感じが出てて逆に良いのかもしれない。

 もっと色々語りたいんだけど、自分はこれ以上この映画をの良さを褒める言葉を持たないので、見てない人は見て判断してくれ。こういうのはカンヌ取れないのかな?良い映画。良作であることに間違いはないんだが。

 バリバリのバイオレンス映画も撮る一方で、こういう優しい映画も撮れる北野武は凄い。その二面性があるからこそ『HANA-BI』や『ソナチネ』の静謐なモノも作れるのかもしれない。もしかしたら暴力と優しさは表裏一体で、とてもとても近しいものであるのかもしれない。

 

愛すべき名場面
○かつあげのシーン
○競輪場のシーン
○ホテルのフロントの人とのシーン
○プールのシーン
○カップルの車へのヒッチハイクと道中
○目の見えない振りをしてヒッチハイクするシーン
○母親を見つけるシーンとその後の海で天使の鈴を渡すシーン
○縁日での治療
○5人で遊ぶシーン
○海での隠れん坊
○菊次郎が母を見つめるシーン
○皆と別れるシーン

愛すべき名台詞
○バカ野郎
○この野郎
○菊次郎だよバカ野郎

評価
★★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)


予告編↓


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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/08/18(水) 16:09:58|
  2. 映画-邦画
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ベスト・キッド

 親父と二人で見に行きました。ちょっと地雷臭はしてたものの。ジャッキー・チェンで『ベスト・キッド』って言ったらうちの家としては気にならないわけがないのです。


邦題『ベスト・キッド』
原題『The Karate Kid』
2010/アメリカ・中国/139分
監督 ハラルド・ズワルト
出演 ジェイデン・スミス、ジャッキー・チェン、タラジ・P・ヘンソン、ハン・ウェンウェン、ワン・ツェンウェイ、ユー・ロングァン

ポスター

 父が他界していて、母の単身赴任のために中国に引っ越す事になったデトロイトの12歳の少年ドレは言葉もわからずに不安だらけだったが、現地では同じような境遇の白人の友人ができ、バイオリンの練習をする少女メイに一目惚れしたりして新しい生活に希望が見え始めたかに見えたが、少女の幼なじみである、カンフーの強いチョンに目を付けられて、ボコボコにされいじめの標的にされ、孤立してしまう。ある日ドレは反撃を試みるも逆襲に会い、リンチに会いかけたところを家の管理人さんであるハンが現れ、いじめっ子たちを見事なカンフーで制してドレを助ける。それを意識が遠のく中見ていたドレは、ハンにカンフーを教えて欲しいと頼み込む。


 周知の事実だが、大ヒットしたハイスクール青春空手映画、『ベスト・キッド』のリメイク。元の方は4くらいまで続編が作られているが、1しか自分は見ていない。でも五回は見てる。自分の一つの教科書であり、結構な影響を受けた。よくよく考えれば自分が初めて真面目に真面目な映画を撮った『PRIDE』と言うものは(それまでは真面目にフザケた映画ばかり撮ってた)まさにいわゆるベストキッドモノであり、それに色々と自分の思想やらを暴力論やらを付け加えた成川ジロー(大長陽二朗)版のベストキッドと言える。
 このジャッキー版と言うべきかウィル・スミス版と言うべきかわからないが、新しいベストキッドは、主人公の年齢設定を12歳に下げてコミカルな部分を強調した、子供から大人まで幅広く楽しめる娯楽作品となっている。
 原題は『The Karate Kid』なんだが、劇中で「空手じゃないよ、カンフーだよ!」とジェイデンが言うシーンがあるんだけど、あえてなのか?


 主人公のドレ。ジェイデン・スミス。

ジェイデン

 アクションは頑張ってて演技も良いんだけど、この役をやるには堂々としすぎていると言うか、いじめられっ子オーラがなさすぎだよね。それに関しては元の方もそうだったけど。カンフーを習う前の頃の喧嘩のシーンで構えるボクシングポーズがとても良かった。ってか少しは中国語覚えようとしろよ!英語喋れる人としか話してねえじゃねえか!中国人の友達作ろうとしろよ!異文化交流する気無いのか、やけに閉じてるように思えた。
 ご存知の通りウィル・スミスの息子。ウィル・スミスがこの映画の企画立ち上げたって言うんだから、まあ親バカと言わざるを得ないですよね笑


 師匠のハン。ジャッキー・チェン。

ジャッキー3


 今まで無かった、影のある枯れた役。年相応の役と言うべきか意外に良かった。渋みが出てきたな。ジャッキーにカンフー習いてえ。ジェイデン羨ましいぞ!
 元のノリユキ・パット・モリタ氏も良いけどジャッキーも良いなぁ。

 この二人の師弟の交流や修行シーンは微笑ましいですね。

ジャッキーとジェイデン

ジャッキーとジェイデン2

 こいつらの場合友情って言うよりも親子っぽい絆が生まれると思う。師父とも言うしね。


 ドレの母親。タラジ・P・ヘンソン。

タラじ

 地味にアカデミー賞ノミネート女優使ってる。『ベンジャミンバトン』のお母さんだったり、『スモーキン・エース』のスナイパーだったりと、この人年齢が自由自在に変わるな。良かったけど、チャイナドレス着て祭に出てきたときには似合わなすぎて吹いたwwwそして同時にジャッキーとの恋愛が描かれるような気がして凄い怖くなった笑



 いじめっ子でライバルのチョン。ワン・ツェンウェイ。

チョン

 『新・少林寺伝説』や『D&D完全黙秘』でジェット・リーと最強のカンフー親子役をやった少年に似てる気がしたけど、あの子は今頃もっと年上か。あの子どうなったんだろう。


 悪い先生。ユー・ロングァン。

悪い先生

 どっかで見た顔だと思ったら前にこのブログにも書いたアンディ・ラウの『三国志』に出てくる壮絶な散り際を見せた敵の韓将軍だわ。
 良い存在感。最後はヘタレだったが、元のコブラ会の悪い先生程悪い顔してないからね笑


 ヒロインのメイ。ハン・ウェンウェン。

メイ

 普通。なんでドレがこの子に一目惚れしたのかはよくわからん。



 基本的な物語の展開は細かいところまで元の『ベスト・キッド』をなぞっている。それでいて空手でなくカンフーにしたり、年齢設定を下げて子供にしたのだから、当然色々な所に無理が出てきている。そこら辺を変えたらストーリーラインも変えなきゃならないのにほとんど変えなかったから、歪みがででしまっているのである。まぁ主人公が高校生くらいで師匠がジャッキーのカンフー成長物語は『ドラゴン・キングダム』があるから、被ってしまうんだけどね(^^;)
 12歳と、元の『ベスト・キッド』よりも年齢設定を下げて子供にしたのならば、恋もあって良いけど友情にも力を入れるべきだったと思う。年齢設定を下げたのだから、元のストーリーラインをそのままなぞるのではなく現地で同性同世代の中国人の友人を登場させて、友情を育んだりした方が良いと思うんだが、この映画内では中国人の男の友達は一人もいない。いじめっ子が中国人だからといって、あんだけ大きな学校なんだから一人くらい良い中国人出しても良かっただろ。中国人との人種文化を越えた友情と言う要素を師匠であるジャッキーとの関係に持って行っているのだろうけど、それには年の差がありすぎてちょっと無理があるように見えた。代わりに中国人との人種、文化を越えた恋愛があるけど、小学生のキスシーンは要らないだろ(^^; 元にキスシーンがあるからって、あれは高校生のハロウィンパーティーでアメリカだぞ。小学生が祭で中国、それでもキスシーン入れちゃうのがアメリカンな感覚なのか……恋愛要素はこの手の映画に必要不可欠なんだけど、他の描き方して欲しかった。ってか139分と長いんだからここら辺もっとさらっとやっちゃって良かったよ。


 修行もね、元が窓拭きやらされて、それが実は意味のある行動だったって言うのは空手のカンフーに比べたら直線的で単純な動きならではの修行でとても印象的な、当時一世を風靡したシーンだったんだけど、上着を落として拾ってかけろと言うのは、伏線があるにはあったが行動の意味としては圧倒的に弱くて、無理がある。窓拭きが空手の受けの動きになるのはわかるが、あの流れで上着云々の動作が複雑なカンフーの動きになるとは思えない。応用が利かないのである。あんなん一日中やらされたら1日で絶対に文句を言うだろうしね。
 ああ言った練習だと他人を実際に殴る蹴る事にある抵抗は取れない。試合に勝てる類の練習じゃなさそうなんだが……他の実践的なスパーリングを多くやってる人を押しのけて、あの類の大会で勝ち上がれるとは思えない。まあ元の方にも言える事だけどね。主人公にもともとセンスがあったのだろう。この映画では黒人だしね。アジアンとは体のバネが違う。
 あと、万里の長城でやるなや笑


 元が有名だと改変するだけでアンチが沸く。空手をカンフーにして舞台を中国にして主人公を青年から少年にして、この映画も相当色々言われたと思う。でもそこまでやったならもう一、二歩勇気ある改変をして欲しかった。変えなきゃならなかったストーリーラインを頑なに変えなかったのは意図があるのだろうか?もっと遊びを入れても良かったんじゃないだろうか。
 幅広く楽しめる出来なのだが、欠点が目立つと言うか好きだからこそ鼻についてしまう。

 リメイクと言うのは元を越えられるのは希で、元にはない何か特殊なポイントで勝負して元と同等レベルの作品になれば御の字だと思うのだが、この作品は娯楽要素で勝負した感じがする。個人的には元には及ばないレベルに留まってしまったと思う。ちょっと残念。

 あと、ジャッキーファンとしては、ジャッキーと悪い先生もちょっとだけで良いから戦って欲しかったよね笑 ジャッキーの過去ももっと掘り下げても良かったとは思うし。終わりにNGシーン集も無いしジャッキー成分が足りない。まぁジャッキー映画では無いのか。

 試合に関してはどうかと思うところが多々ある。試合は顔面パンチ有りでのルールで防具無しは過激すぎるだろ。12歳の体で、顔面にあんな体重のかかった跳び回し蹴り食らったら良くて鼻か頬骨の骨折、悪くて頭蓋骨陥没や眼球破裂、下手すりゃ首の骨が折れて命を落とす。悪い先生が「怪我をさせろ」と指示して主人公がやられた、太ももへの肘うちは酷い打撲で済むけど、フィニッシュの顔面への縦回転跳び蹴りとかの方が確実に危ない。倒れた相手への攻撃も寸止めにしとけよ。このルールでやるなら普通は防具つけるもんだが、防具つけたら顔見えないからな……とにかく、「怪我させろ」の攻撃以上に危ない技ばかりで、どうかと思った。元の「怪我させろ」の攻撃は関節蹴りじゃなかったか。あっちは明らかにえげつないのがわかるし、やった方が「大丈夫か?すまない。すまない」と謝りまくってたのも良かった気がする。
 身体が出来始める前の子供だから、あのときの強さがあんまり意味が無いってのもあるから、やっぱり引っかかる。
 子供にしたことで格闘にリアリティが全く無くなっちゃったんだな。
 子供にしたところがセールポイントであり同時に欠点。もっとやりようがあったように思う。中途半端でもったいない。つまらなくはないんだけどね。


 余談だが、大沢たかおプロデュースで北乃きいがパンチラ上等で華麗なハイキックやったり見事なボクシングを見せる『ラブファイト』なんかは主人公は高校生のままだが師匠の方にもスポットライトを当ててダブル主人公的にしたのがかなり良い効果を生みだしていて、最近のベストキッド物としてはかなり素晴らしい出来だったと思う。良い改変だった。


愛すべき名場面
○ドレの初喧嘩シーン
○ドレとハンの修行旅行のシーン
○ジェイデン・スミスの顔芸

愛すべき名台詞
○集中しろ(Focus)

評価
★★★☆
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓


元の方の予告編↓

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/08/17(火) 16:41:36|
  2. 映画-洋画
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気になる映画3

 久々の気になる映画紹介。
 気が付いたらどんどん気になる映画が貯まって来て、最近ちょっと停滞してたし、映画界の速度に付いていけてないなと思う今日この頃。加速したい。


 まずは三池崇史監督の『13人の刺客』



 特に時代劇が好きとかいう訳じゃなく、監督が三池さんだからってのと、出ている役者が好きなのと。役所広司、古田新太、伊原剛志、岸部一徳。ここら辺も好きなんだが、さらに『クローズZERO』組の山田孝之、高岡蒼甫、波岡一喜。これは気になるでしょう。『どら平太』の役所さんの時代劇は何かよくわからんが雰囲気がすごい良かったし。見たい。


 
 次に李相日監督の『悪人』。



 洋画と香港映画ばっかり見てきた自分としては日本人監督の中で次の作品が気になる監督って言うのは少ない。三池崇史、中島哲也、内田けんじ、西川美和、そしてこの李相日、ぱっと思いつくのがこの5人。監督がこの人ってだけで興味が沸く。この映画はきっとかなり重い作品なんだろうけど、見る価値のあるものだと思う。音楽が久石譲ってのも気になるよね。


あとは洋画。

『ヒックとドラゴン』



 ど真ん中な感じがするけど、こういうの好きだから見たい。


『トイ・ストーリー3』



 映画館に泣きに行きたい。


『インセプション』



 ノーランさんだYO!ノーランは渡辺謙を気に入ったのかな?


『ハング・オーバー』



 アメリカでコメディ映画の記録を塗り替えたんだが、日本での扱いが悪すぎる。入ってくるの遅すぎだろ。ちょうど一年前くらいの映画だろ。見たかった。


『ゾンビ・ランド』



 面白そう。


『ザ・ロード』



 ゲイリー・オールドマンとデンゼル・ワシントンの『ザ・ウォーカー』に雰囲気似てるけど、こっちの方はすごい見たい。あっちはあんまり。


 あと何かエイリアンと近代兵器で戦う戦争物で面白そうなのがあったんだけど、名前を忘れてしまった。誰か心当たりあったら教えてください。



P.S.
よく出来てる偽予告編。
ジャッキー・チェンvsジェット・リーvsトニー・ジャーの映画。



 『サイクロンZ』『香港国際警察/NEW POLICE STORY 』『ローグ・アサシン』『ロミオ・マスト・ダイ』『リーサルウェポン4』『ブラック・ダイヤモンド』『トム・ヤン・クン』辺りの映像を上手く組み合わせて作ってる。声はめちゃくちゃだけど、これは是非見たい笑

テーマ:気になる映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/08/16(月) 17:20:11|
  2. 映画
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トイ・ストーリー2

 最近色々とごたごたしていて忙しくてまるで更新が滞ってました。せめて一週間に3回は更新したいもんだ。


邦題『トイ・ストーリー2』
原題『Toy Story 2』
1999/アメリカ/92分
監督 ジョン・ラセター
制作 ピクサー・アニメーション・スタジオ
声優 唐沢寿明、所ジョージ、日下由美、小林修、名古屋章、他

ポスター

 持ち主であるアンディと共にサマーキャンプに行くのを楽しみにしていたカウボーイ人形のウッディはある日肩がほつれて取れかけてしまい、その事でキャンプに連れて行けなくなってしまった。落ち込んでいたが、その折、バーゲンに出されそうになってしまった仲間を助けようとしたところ、おもちゃマニアのアルに見つかり、盗まれてアルのおもちゃ屋さんに連れ去られてしまう。それを見たウッディに恩のある仲間のバズはミスターポテトヘッドらと共にウッディ救出隊を結成し、アンディがキャンプにいってる間にウッディを取り戻そうとするが、その頃ウッディは自分と同じシリーズのおもちゃであるジェシー、プロスペクター、ブルズアイと出会い、自分の存在が実はプレミアの付いているレアなキャラクターグッズであると気づき……。

 テレビでやっていたのを鑑賞。
 1から続くおもちゃの人形達が人のいないときに動いていると言う設定、世界観がやはり素晴らしい。1のときは子供向けな感じが強かったような気がしたが、今回は大人視点でも子供視点でも楽しめる娯楽作となっている。

 ってか1を見たのが小学校五年か六年の、修学旅行かなんかのバスの中。確かバスの中で何見るか会議で、自分は『スターウォーズ ジェダイの復讐』を提案したんだけど、票が集まらず『トイ・ストーリー』となった。当時は悔しかったが今思えば見たこと無い人もいる中でいきなりラストエピソード流すのは酷いな(^^; バスの中で流れた『トイ・ストーリー』は普通に面白くて自分は見入っていた。ちなみに中学の修学旅行かなんかのバスの中は『マトリックス』だった。これは自分の意見が通ったような気がしないでもない。記憶が曖昧で、候補に『プロジェクトA』だか『ポリスストーリー』だか『サンダーアーム』があったような気もするからそっちが自分の意
見だったかもしれない。

 吹き返え版しか見たこと無いのだが、主人公であるウッディとバズ・ライトイヤーの唐沢さんと所ジョージはハマっていると思う。

ウッディとバズ

 有名すぎて紹介する必要が無い気もするが、右の座っているのがウッディ。唐沢寿明。
 1の記憶が薄いからかもしれないけど、1と比べてはるかに良い奴になった気がする。1のときはもっと鼻持ちならないキャラだった気がしてたが、1はアンディのお気に入りの座をバズに取られそうでヤキモチ焼いてたんだっけ?仕方ないか。

 左のがバズ・ライトイヤー。所ジョージ。
 前作では自分がおもちゃではなく、設定のスペースレンジャーであると疑わず、話が通用しなかったがおもちゃの自覚をして物わかりが良くなった。まさにナイスガイ。ウッディとのコンビは見ていてとても面白い。そしてもう一人のバズとのシーンは滅茶苦茶面白い。続編として考えるとかなり秀逸なコメディシーンだと思う。


 新キャラクター達。

ブルズアイとジェシーとプロスペクター

 真ん中のカウガール人形がジェシー。元気いっぱいのキャラだが、この娘のここに至るまでのお話は涙を誘う。画像でも悲しい顔をしているが、それ相応の辛い過去を持っている。泣きそうになった。まだ3は見ていないが、このジェシーの話を見る限り、2作目が作られた時点で三部作の構想はあったんじゃないかと思う。この2作目は丸々3作目の伏線なんじゃないだろうか。その泣いてしまうシーンを張ろうと思ったけど、見てない人には是非劇中で見て欲しいので最後に書きます。

 左のおっさんがプロスペクター。良い人そうに見えて実は今回の悪いヤツなんだけど、この人形の境遇を考えると憎めない。いわゆる親の愛情を知らずに育ったって感じ。可哀想なキャラである。本当の一番悪いヤツは、こいつらを集めて日本の博物館に売ろうとしたおもちゃコレクターのアル。コレクターにもルールがあると思う。どれだけ欲しい物があっても、盗むのだけはいけない。コレクターのルールと言うよりも、人としての最低限のルールだ。こいつはコレクターの風上にもおけねえクソ野郎だった!!

 右の馬がウッディの愛馬であるブルズアイ。主人であるウッディにすぐに懐く可愛いやつ。気のせいか走るのが異常に早い。離陸中の飛行機に追いついてなかったか!?笑


 前作から引き続き登場するウッディ救出隊の面々。

救出隊の面々

 ブタの貯金箱のハム。恐竜なのに心優しいレックス。胴体がバネになっているスリンキー・ドッグ。そしてすぐ手足が取れてしまうMr.ポテトヘッド。
 これにバズが加わってウッディを救出しに行くのだが、なんという頼りないメンバーwwwバズ一人で行ったほうが良いんじゃないだろうか笑 こいつらがウッディ救出のためにウッディの元へたどり着くまでのシーンも全部素晴らしい。やけにクオリティが高かったと言うか、予想以上に楽しめた。
 ところどころにある有名映画のパロディが秀逸。『スターウォーズ』のパロディはもうお決まりだし、『ジュラシックパーク』のパロも一瞬だが良い。


 自分はあのバッドカンパニーみたいな緑色の兵士の人形達とか、三つ目の宇宙人たちが好きなので、そいつらの出番があまり無かったのは個人的に残念だけど、とにかく面白い。1よりもこの2は話にしろ笑いにしろ大分クオリティが上がったように思う。ここまで楽しめるとは正直思っていなかった。10年以上前のアニメでこのクオリティかよ……すごい。子供が見ても楽しめるだろうし、ジェシーとかプロスペクターの話とかが深いと言うか、特にジェシーの話は子供から大人になる大勢の人がが経験していくだろうことであり、大人も楽しめる。そして泣く人は泣くだろう。喜怒哀楽、とてもバランスの良い素晴らしい作品だった。これは3が楽しみで仕方が無い。3の予告編を見る限り、おそらく泣いてしまうだろうけど。


 ピクサー作品にある最後のお遊びのNGシーンだけは好きになれない。「NGシーンを作る」って発想が意味わからん。これもパロディだと言えるのかもしれないが、そこにはなんの本物感も無い。タブーだとも思う。しかもそれを吹き替え化するってのは二重にタブー。NGシーン集というものを馬鹿にしてるというか嘗めてるとすら思う。ってNGシーン集はアクション映画以外には要らねえだろ。ギリコメディは認める。他は認めない。

 あと、日本語版を作るのは良いんだけど、日本の子供向けに考えると仕方の無いことなのかもしれんが、劇中の歌まで日本語化するのはやっぱりどうなんだろう……?「おれがついてるぜー」ってのは……。悪くない気もするけど、『天使にラブソングを2』のローリン・ヒルやジェニファー・ラブ・ヒューイット、ライアン・トビーら後年の有名アーティストが折角ラップを披露したり、「メリーさんの羊」を歌ったりするのも全部日本語にしてしまったりするのはどうかと思う。歌は日本語化するな!と言いたい。


愛すべき名場面
○ウッディ救出隊の活躍
○バズと新バズのシーン
○ジェシーの過去

愛すべき名台詞
特に無し。

評価
★★★★☆
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

3もやってるし、1の予告編では何故かプレデターの音楽のパロディが使われてたので3つ張っておきます。

1の予告編↓


2の予告編↓


3の予告編↓


トイ・ストーリー2 スペシャル・エディション [DVD]トイ・ストーリー2 スペシャル・エディション [DVD]
(2010/06/23)
ディズニー

商品詳細を見る



P.S.
ジェシーの過去のシーン。マジ泣ける。



yahoo知恵袋にあった歌の和訳。

When somebody loved me
Everything was beautiful
Every hour spent together
Lives within my heart

And when she was sad
I was there to dry her tears
And when she was happy so was I
When she loved me

Through the summer and the fall
We had each other that was all
Just she and I together
Like it was meant to be
And when she was lonely
I was there to comfort her
And I knew that she loved me

So the years went by
I stayed the same
But she began to drift away
I was left alone
Still I waited for the day
When she'd say
I will always love you

Lonely and forgotten
Never thought she'd look my way
And she smiled at me
And held me
Just like she used to do
Like she loved me
When she loved me

When somebody loved me
Everything was beautiful
Every hour spent together
Lives within my heart

When she loved me...

ある人が私を愛していた頃
すべては美しかった
共に過ごしたすべての日々は
私の心に生きている

彼女が悲しい時は
私はその涙を拭うためにいて
彼女が嬉しい時は私も同じだった
彼女が私を愛していた頃

夏を超え、秋を超え
ただお互いだけがあった
彼女と私、ただそれだけ
まるで必然であったかのように
そして彼女が孤独な時
私は彼女を慰めるためにいて
彼女の私への愛が分かっていた

そして年月は流れ
私はずっと変わらずにいて
彼女は次第に流れ去り
私は取り残された
それでも私はその日を待った
いつか彼女がその言葉を
いつまでも愛すると告げる日を

孤独に忘れ去られ
彼女が私に振り向くことはもうないと思った
そして彼女が私に微笑みかけ
そして私を抱きしめる
かつて彼女がそうしたように
まるで私を愛していたように
私を愛していた頃のように

ある人が私を愛していた頃
すべては美しかった
共に過ごしたすべての日々は
私の心に生きている

彼女が私を愛していた頃

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/08/16(月) 15:18:09|
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プロフィール

成川ジロー

Author:成川ジロー
暴力は嫌い。
お酒も嫌い。
女性に弱い。
お金は無い。
誠意はある。

評価は
★=1
☆=0,5
五つ星=★★★★★が最高評価です。

yahoo映画も登録してます↓
http://my.movies.yahoo.co.jp/profile-h5Bi36CCZy9hq1y7A4EjP_5.bwtX

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