成川ジローの愛すべき○○ブログ(ネタバレあり)

管理人である成川ジローが愛すべき映画やアニメを格闘技、プロレスに絡めたりもして語るブログ。

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怪盗ブラック・タイガー

 三池監督の快作『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』のオマージュ元になってると言う噂を聞いたので鑑賞。それは凄まじい世界だった。


邦題『怪盗ブラック・タイガー』
英題『Tears of the Black Tiger/Fa talai jone』
2000/タイ/114分
監督 ウィシット・サーサナティヤン
出演 チャッチャイ・ガムーサン、ステラ・マールギー、スパコン・ギッスワーン、エーラワット・ルワンウット、ソムバット・メタニー

ポスター

 農民の少年のダムは、ある日引っ越して引っ越してきた富豪の娘のラムプイと知り合い、その後離れ離れになるも10年後に大学で再開し恋に落ちる。しかしダムは父親の仇を取る為にファーイ率いる盗賊団に入り「ブラックタイガー」の異名を取る凄腕となり、ラムプイは父親の希望で警察署署長の息子ガムジョンと婚約することになり、二人の立場は相容れないものとなってしまう。そんな中、盗賊団撲滅を指揮するガムジョンを捕らえたダムだったが、ラムプイの婚約者であることがわかると逃がしてやることにし、それを相棒のマヘサンに見破られ、組織にも警察にも追われる立場になってしまう。

 お話は、身分やら立場の違いによる悲恋の話をベースにした得に捻りの無い物。捻りがあると言うか、この映画の注目すべき点はお話ではなく世界観一点にある。最初に二人の約束の場所で、サーラー・ロウ・ナンと呼ばれる伝説が伝わる小屋が登場するのだが、

約束の場所すごい世界色

 このビジュアルである。彩り豊かと言うか、ものすげえ色合いの世界である。この世界の色合いはここだけでなく、普通に撮ってるところもあるけど、たいだいずっとこんな感じ。この画像は曇りだからまだわからんかもしれんけど、太陽が出てるときなんかはこうなる。

オマージュ元

 車の中のシーンは外がモノクロ。

外は白黒

 すんごい世界。「こういうのもありなんだ」と思ってしまう。確かに印象は強くて、『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』のオープニングでオマージュされたのはわかるが、正直この世界観のまま最後までやられると、飽き飽きしてしまう。
 しかもこの世界観で、他は特筆すべき部分は無く、アクションなどはまぁ頑張っている程度で、物語がクソ真面目なもんだから、最後までこのスタイルを面白くて悪ふざけ的にやっているのか、大真面目にやっているのかわからない。タイで西部劇やりたいって考えた監督とプロデューサーか何かが、

A「西部劇やりたいけどさ、俺らの住んでる土地って、ああいうだだっ広い荒野みたいな感じのところ無いよねー」
B「じゃあ全部セットでやって変な色にして誤魔化せば良いんじゃね笑」
A「ちょっとやってみようぜ!」

 みたいな会話をして始まったんじゃないかと思ったんだが、それにしては悪ノリ感が無いから、上手く楽しめなかった。アジア人が西部劇をやるってだけでそれはもう不真面目に見えてしまう部分があるのだから、コメディ方向に持っていった方が楽なんだけど、あえて真面目に突き進んでみたらやっぱり収まるところに収まっちゃったって感じ。

 役者の人たちも至極真面目。
 主人公のダム。チャッチャイ・ガムーサン。

ダム

 主人公だけど、基本しかめっ面で、凄い楽な気がする笑


 ヒロインのラムプイ。ステラ・マールギー。

ラムプイ

 こいつがもうちょっと考えて行動してれば、悲劇は免れたんじゃないかと思う。


 ダムの相棒、マヘサン。スパコン・ギッスワーン。

マヘサン

 三枚目っぽい脇役かと思ったら友情物語やったり、ライバルやったり、悪役やったり、かなり良いキャラだった。


 盗賊団のボス、ファーイ。ソムバット・メタニー。

ファーイ

 この人がなんで簡単にダムを捨てちゃったのかわからんかった。結構絆あったみたいなんだけどな。ダムの忠誠心もちゃんとあったし。


 ラムプイと婚約するガムジョン警部。エーラワット・ルワンウット。

ガムジョン警部

 融通の効かない、駄目な人。ってか、ラムプイの名前を出したらブラックタイガーに命を助けられた。それなのに全然恩とか感じてないのな。ラムプイを責めたりするし、酷い男だ。

 ちなみに親父の署長。

ブラックタイガー署長ってか後藤ひろひとそっくり

 『みんな昔はリーだった』のデ・ニーロの真似してる後藤ひろひろに似てる気がする。

後藤ひろひとj

 髭だけか笑 まぁ、この髭っつったらやっぱ『プロジェクトA』を思い出しちゃいますけどね。警察だし。


 世界の色作り以外だと、唯一兆弾のシーンが面白かった。

兆段

 画像だとわからないだろうけど、オープニングのアクションで兆弾で敵をやっつけて、その後いきなり

兆段説明

 この画面が出て説明を始めると言う、なんともお馬鹿なシーン。ここは良かった。でもここだけで他は全然お馬鹿なシーンは無くシリアス一辺倒。世界に飽きると得に面白くない。
 途中大掛かりな銃撃戦シーンがあるけど、

M1919.jpg
m60.jpg
m1.jpg
LAW.jpg

 やっぱり、頑張ってはいるんだけどなぁ程度。西部劇真面目にやるとどうしてもアメリカのものと比べちゃうしね。。

 悲しい事だが、114分でも長いと感じてしまう。こういう怪しさは嫌いじゃないんだけど、なんだかなぁ。90分くらいにして馬鹿映画を目指した方が良かったんじゃないかと思う。長いシリアスな自主映画っぽさがあった。
 試みだけは褒めたい映画。滅茶苦茶印象には残る。


愛すべき名場面
○兆弾の説明

愛すべき名台詞
特になし

評価
★★☆
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓

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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2011/07/30(土) 16:20:54|
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東京国際映画祭 『小学校!』『一粒の麦』『そして、地に平和を』

 行っている専門がコンペ部門の招待券をくれるって言うんで、スケジュールとにらめっこしてどうにか東京国際映画祭のコンペ部門の作品を3作品見ることができました。
 簡単に言ってしまうと東京国際映画祭のコンペ部門の作品ってのは世界トップレベルの自主映画だと思う。こんな機会はめったに無いし、初めての参加なので色々期待して見に行きましたが、やっぱり凄い良い。面白いし、何より凄い刺激を受ける。



邦題『小学校!』
原題『¡PRIMARIA!』
2010/スペイン/107分
監督 イバン・ノエル
出演 フランシスコ・アルフォンシン、ホセ・ホアキン・メナ=ベルナル・ルエダ

小学校!1

 新任教師のホセ・マリアが小学校で生徒に美術を教えながら、自分自身も小学生たちの感性に触れ、その小学校で起きる事件や、多動症を煩うJJとの交流を深めていくうちに、色々な事を学んでいく。

 実際の小学校教師である人が監督・脚本と言うことで、子どもたちの生き生きとした表情や先生たちの人物描写の中途半端さ、起きる事件がとてもリアル。まあ自分には教師経験なんて無いからおそらくリアルとしか言えないんだけど、そこにある空気はとてもしっかり伝わったと思う。その人物描写や事件の中途半端さもわざと狙ってやってるんじゃないかと思えてくる。実際主人公の視点にたったとしたら、全容は知ることが出来ないだろうし。先生に変な人ばかりだったけど、実際そうなのかもしれないし。
 実際物語にするなら登場人物を絞るべきで、リアルさを求めるなら中途半端なこの形を求めるべきで、そのバランスの好みは見る人によるんだろうけど、微妙。絶妙までいかなかったと思う。単純に悪いとは言えないんだけど、引っかかりを感じる人は多そう。

 自主映画っぽさは確かにあって最初の方はテーマと言うか、描きたいことがたくさんありすぎて煩雑になり定まっていない。ただ、カメラワークの揺れが大きかったりして、ドキュメンタリーなのか物語なのかのどっちつかずだからなってしまったのかもしれないが、固定すべきだと思える箇所が多々あった。

 後半の演劇から展示会の畳みかけはとても素晴らしい。
 途中のホセ・マリアとJJの触れ合いのシーンは心温まる良いシーンだし、ほんと良い映画。ってかホセ・マリア役の人が凄い良い味を出している。

 一つ欠点に上げたいのが、劇中でときどき生徒の考える世界や先生の妄想のシーンが挟まれる部分が何度かあるんだけど、それらは別に現実と区別されてなくて、前触れもなく急に入って何事もなかったように急に現時に戻るので、わかりづらいと言うか、見づらい。何かしらの区別は付けるべきだと思った。子供の想像はまだともかく、先生の妄想だけでも。

 東京国際映画祭のコンペ部門なんて、世界トップレベルの自主映画なんだけど、やっぱり商業映画とは全然違った刺激をもらえる。良い。

小学校!2
小学校!3

愛すべき名場面
○変な女教師がホセ・マリアに迫る(?)シーン笑
○ホセ・マリアとJJの親交
○演劇と展覧会
○ラストシーン

愛すべき名台詞
○これがダリだ!

評価
★★★★




邦題『一粒の麦』
原題『DACA BOBUL NU MOARE / AKO ZRNO NE UMRE』
2010/ルーマニア=セルビア=オーストリア/118分
監督 シニツァ・ドラギン
出演 ムスタファ・ナダレヴィッチ、ダン・コンドゥラケ、フランツ・ブーフライザー、ミロス・タナスコヴィッチ、シモーナ・ストイチェスク、イオアナ・バルブ、レル・ポアレルンジ、ブライアン・ジャルディン

一粒の麦1

 コソボで売春を強いられている娘を探すルーマニア人の父親と、ルーマニアで自動車事故を起こして遺体となった息子を探すセルビア人の父親。ふたりはドナウ川で出会い、船頭が、200年前の伝説を語り始める。それは、正教会の建設が禁止されていた時代に、古い木造の教会を村に移築しようと奮闘するが失敗してしまう、ルーマニア人農民の物語だった。

 世界背景や人物背景がちょっとわからないまま話は娘を捜す父、息子の死体を引き取りに来た父、伝説とコロコロ話が変わるので、話を飲み込むまでに時間がかかり、てこずった。
 思ってたよりもそれぞれの話が絡まないのが残念だったが、ロードムービーならではの旅の感覚はスゴい良く出てるし、最後の収束感は終盤で予想はできるものの、この世の物とは思えない幻想的で圧倒的な美しさがある。入りづらく、ちょっとテンポ悪いかなと思えた中盤とかもどうでも良くなっちゃう様な良さはあるなと思う。あまり救いの無い物語ではあるけれど。

 こういうのをテンポ良くして、ライトにしたものが好きなんだが、自分の中でそうしたもののトップに位置してるのが『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』だと思う。この映画のジプシーたちと一緒に入れられた留置所からの脱出シーンや、協会関係者に変装するようなコミカルな部分には同じ匂いがあった。

 それぞれのキャラは良いキャラなんだけど、肝心の親父二人の人物描写にもっと力を入れるべきだったとは思う。あと拳銃のエピソードももっと面白く出来た気がして、勿体無い気がした。
 蛇足な話ではあるけど、父親の形見の拳銃がワルサーP99ってのは、新しすぎて違和感が……。

一粒の麦2
一粒の麦3

愛すべき名場面
○シスターと牧師に変装するシーン
○ジプシーと一緒に脱走するシーン
○ラストシーン

愛すべき名台詞
特に無し

評価
★★★☆




邦題『そして、地に平和を』
原題『Et In Terra Pax』
2010/イタリア/89分
監督 マッテオ・ボトルーニョ、ダニエレ・コルッチーニ
出演 マウリツィオ・テセイ、ウゲッタ・ドノラシェンツォ、ミケーレ・ボトルーニョ、ファビオ・ゴミエーロ、ジェルマノ・ジェンティーレ、シモーネ・クリザーリ、リッカルド・フラミニ、パオロ・ペリネッリ

そして地に平和を1

 元服役囚のマルコは、昔の友人グラウコとマウロに誘われ、一度は断ったものの再びコカインの取引を始める。ファウスティーノ、マッシモ、そしてフェデリコは、ドラッグに溢れた怠惰な日々を過ごしている。ソニアは大学生だが、カジノクラブで働いている。ほんの些細な出来事によって、彼らは火事や流血、そして暴力の痕跡を残すことになる。

 暴力の果てにあるものを描いていると思う。
 暴力の力の強さ。強すぎる力。その負の連鎖と末路。希望の無さ。

 警察を敵視して、警察がやってくることにより犯罪に手を染めている自分達が住みにくくなるのを誤魔化し、「警察無しで解決する!」とソニアのレイプ事件を自分達だけで解決しようとするグラウコとマウロらが滑稽に見えて仕方なかった。大義名分を掲げてはいるが、彼らは本当はソニアの事なんて考えていない、ソニアの事をきっかけに自分達が暴れたいだけなのだ。自分達の事だけしか考えて無い。そういう人間達が警察の代わりに暴力装置になろうとするが、マルコの爆発によって締められる。この後、彼らはどうなっていくのか?

 3人組の描写は何かフランスやイギリスの映画によくありがちな気がした。退屈でイライラしてドラッグに手を出している若者達。『トレイン・スポッティング』辺りがまさにそうだし、そいつらだけにスポットを当てたらよくある映画になるんだろうけど、それを多数の視点から描いた事でこの映画のクオリティが上がっているんだと思う。自分もこういう多数の視点から描くというのは好き。ただ、マルコの立ち位置をもっとわかりやすくして欲しかった。行動する事を諦め、傍観者でいるのかと思いきや、麻薬を売り始める。それは行動してしまっているのではないか?あと、この街を捨てたよいう人物もちょっとわかりにくかった。

 暴力論の映画は、自分が卒論で取り扱ったテーマでもあるからか、とても惹きつけられる。人間を魅了してやまないものが暴力だし、切っても切れないものでもある。愛と同じく人間の永遠のテーマなんだろうな。

 この映画だけ終電とはかけ離れた時間に見ることができたので、本編後のQ&Aに参加できた。イタリア映画が昔から好きと言う滅茶苦茶格好良いおじいさんとかが質問してて、とても面白かった。ってかマルコ役の人がリアルで怖い笑

そして地に平和を2
そして地に平和を3


愛すべき名場面
○ソニアが巻き込まれる事件のシーン
○ラストシーン

愛すべき名台詞
特に無し

評価
★★★★

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/10/30(土) 18:26:19|
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クリクリのいた夏

 友人のおススメで視聴。これと『ピエロの赤い鼻』を勧められたんだが、なかなかどうして、良いセンスしてやがる笑
 ってかフランス、ドイツ、イギリス辺りの映画もその他の映画と言うジャンルにして、洋画はアメリカの映画って事にします。そうすると『レオン』とかアメリカとフランスの合作だからどっちに入れるか迷うけど、まぁ監督の国籍とかも要素に入れて考えますわ。


邦題『クリクリのいた夏』
原題『LES ENFANS DU MARAIS』
1999/フランス/115分
監督 ジャン・ベッケル
出演 ジャック・ガンブラン、ジャック・ヴィルレ、アンドレ・デュソリエ 、ミシェル・セロー、イザベル・カレ、マルレーヌ・バフィエ、エリック・カントナ

ポスター

 フランスのある地方の沼地に住む駄目親父の貧乏な一家と、戦争から復員してたまたま沼地やってきた男、そしてその友人達のその日暮らしの日々の思い出を描いた映画。

 こういうのジャンルなんて言うんだろう……とにかく綺麗で、キラキラしていて、涼しげで、心温まる何とも言えない雰囲気があります。好きです。特に何かが起きるわけでなく、淡々と話は進むから刺激を求める人には物足りなく映るだろうけど、こういうのも映画のジャンルとして堂々とあるべきものだと思う。


 復員兵の主人公、ガリス。ジャック・ガンブラン。

ガリス

 誰からも好かれ、何でもこなせる器用な男性。復員後に当てもなくふらふらと沼地にやってきたら偶然沼地にある家の老人を看取ることになり、そこの家を継ぐ事になった。戦争では激戦区に送られて相当悲惨な体験をしたらしく、戦争のことは話したがらない。少し影がある。が、過去が描かれる事はほとんど無いので謎の男。優しくて気が良くて本当に格好良い。


 ガリスの相棒と言うか、依存している沼地の駄目親父、リトン。ジャック・ヴィルレ。

リトン

 嫁に逃げられ子供の世話も上手くできず、酒をあおり主人公に依存して生きてる駄目親父。主人公が沼地を出て何処に行ってもやっていけることを十二分に承知しており、いつか主人公が沼地を去る日が来ることを恐れている。すぐ諦めすぐ文句を言いすぐ機嫌を悪くするトラブルメーカーなんだけど、本当に駄目なヤツなんだけど、でもどこか憎みきれないところがある。
 演じているジャック・ヴィルレは『ピエロの赤い鼻』でも良かったが、今回も良い。駄目親父が似合うな。2005年に亡くなられていたらしい。本当に惜しい人を亡くしたもんだと思う。こんなに味のある駄目親父他にいないぞ……。

 この二人が主人公。このコンビが良い。仕事はガリスばっかりがちゃんとやって、リトンの方はさぼってばっかりだったり、ミスして大変な事になったりする。そのやりとりが見ていて面白い。

 それと頻繁に沼地にやってくる二人の友人がいる。
 働いたことがないと言う富に恵まれた家に生まれたアメデ。アンドレ・デュソリエ。

アメデ

 そして、沼地出身で一代にして成り上がった富豪のペペ。ミシェル・セロー。

ペペ

 アメデの方は富に恵まれて何不自由の無い豊かな生活をしているはずなのだが、そこの自由を見出せず、沼地で自由気ままに暮らす二人に憧れを抱いている。神経をやられてしまった妹がいたりして、両親とも上手くいってないと言う事もある。
 エスカルゴ取りに付いていったときのアメデの「自由とは好きなように時間を使う事だ。何をし、何をしないのか、自分で選び、決めることである。」と言う台詞は、そのときに「来て良かった」と何度も言うのと相俟ってとても印象に残る。リトンの方は常にお金が無くて困っているので逆にアメデの暮らしを羨ましがっていて、その互いの想いすれ違いは考えてみればちょっと複雑。自由を得るには代償が必要となるって誰かが言ってたけど、まさしくそれなんだよなぁ。

 ペペの方は、今ではお金持ちになったが、お金持ちらしくしなければいけない生活の事をとても面倒に思っていて、昔の沼地での暮らしに想いを馳せて、沼地に住む主人公達をやはり羨ましく思う。上流階級の暮らしに馴染めないんだろう。
 なんというか、自由に限らず、何かを得ると言う事は何かを失うと言う事だって誰かが言ってたし、一長一短、難しいところだよね。そういう人たちが寄り添って集まって生活してるのが面白いんだけど。


 タイトルにもなっている駄目親父の末の娘、クリクリ。マルレーヌ・バフィエ。

クリクリ

 そばかすが可愛いのぅ。。。可愛い以外の言葉が思いつかないくらい可愛い女の子。一応タイトルに名前が載ってるように、物語はこの女の子の思い出というスタイルを取っているがあまり出番は無いし、本来のタイトルを訳すと『沼地の子供達』らしい。あの集まってくる大人たちも「子供」として数えていいのかな。

 一つだけ大きな事件と言えば、リトンがボクサーのチャンピオンを怒らせてしまって命を狙われる。
 そのボクサー、ジョー。エリック・カントナ。

ジョー

 このボクサーのジョーとリトン一悶着起こして命を狙われたりするんだが、このジョーが短気だったこともあるけど、どう考えてもリトンが圧倒的に悪くて、ジョーが可哀想で仕方が無い(^^; 作中一番かわいそうなキャラだけど、まぁ終わり良ければ良いのかな。

 あとは、主人公が季節の歌を歌いに街に来たときに出会ったマリーに恋したり、クリクリがペペの孫に一目惚れしたり、周囲でちょっとした事件は起こるんだが、基本的に沼地での生活の様子を描いている。
 そういうところに良いシーンがたくさんある。夜に町に歌を歌いに行ってマリーと出会うシーン。黒人にリトンがびびるシーン。かえる釣りのシーン。エスカルゴ取りのシーン。沼で集まって音楽を聴くシーン。など、本当に綺麗な映画だわ。
 ジョーとの馴れ初めとかラストも、思わず微笑んでしまう爽やかさ。

 一つ自分が欠点に思えたのは、ちょっと長かった気がするところ。こういう映画は100分以下がベストだと思う。個人的な尺度だけどね。

 ちょっと良い気分になりたい人におススメできる映画。良いよ。最後だけど音楽も良い。予告編だけでも見てみ。


愛すべき名場面
○街で歌を歌うシーン
○黒人にびびるリトン
○マリーとの出会い
○マリーと再会
○エスカルゴ取りのアメデとのやりとり
○カエル釣りの名人
○ジョーとリトンの結末
○ラストシーン

愛すべき名台詞
○俺達は最後の自由人だ

評価
★★★☆
(★ 五つが最高。☆は0,5点)


予告編↓


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(2001/02/23)
ジャック・ヴィルレジャック・ガンブラン

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  1. 2010/09/10(金) 16:50:06|
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PLASTIC CITY プラスティック・シティ

 アンソニー・ウォンは勿論のこと、オダギリジョーも自分は結構好き。だから少し見てみたい気持ちがあったのよ。それが地雷だと感じていても笑
 一応色んな国の映画なので、分類はその他にしました。

邦題『PLASTIC CITY プラスティック・シティ』
原題『PLASTIC CITY』
2008/中国・ブラジル・日本・香港/95分
監督 ユー・リクウァイ
出演 アンソニー・ウォン、オダギリジョー

ポスター

 ブラジルに渡った中国人のユダはサンパウロを裏で仕切り、その義理の息子である日系ブラジル人のキリンとともに、コピー商品を取り扱う闇稼業でありながらも順調に利益を伸ばし、ビルのオーナーになるまでになっていた。に暮らしてしかし、ある日ユダが周辺地域のマフィアのボスとして警察に捕まり、刑務所内で命が狙われ、キリンは暴走。なんとか窮地は切り抜けたものの、ユダとキリンの二人は次第に追い詰められ、居場所を失っていく。

 とあらすじを書いてみたは良いものの、途中からはそんなあらすじ必要無いって製作者側から言われそうなほどの訳のわからんカオス映画。役者は悪くない。これ悪いの監督だろ。

 主人公のキリン。オダギリジョー。

 オダギリ

 ブラジルが舞台で香港の映画俳優と共演でどんなキャラになるんだと思ったら、キャラはいつもの掴みどころのないカリスマ的なキャラに違いなかった笑
 現地のポルトガル語と広東語を頑張って話しているオダギリジョーは良い。でも物語のせいか、オダギリジョーが全然印象に残らない。主人公であるはずなんだけど、アンソニーが持っていったかな。


 キリンの義理の父であるユダ。アンソニー・ウォン。

アンソニー

 どんなキャラになるのかと思ったらいつものチョイ悪風のオヤジだった。何がしたかったのかさっぱり理解できなかったけど。
 頑張ってポルトガル語を喋ってるアンソニーも悪くない。やや弱弱しすぎるけど。最初に出るのはキリンと出会うシーンなので、そのときは少し若作りしている。

若作りアンソニー

 うん。若干若く見える。


 日本じゃかなりの俳優だと思うオダギリジョー。香港ノワール界の重鎮であるアンソニー・ウォン。この二人を全く生かせていなかった。酷いもんだと思う。
 ブラジルのサンパウロを舞台にしている癖にそれも生かせてない。サンパウロの街並みを使った上手な映像みたいのが全然無くて面白くない。なんでサンパウロ?って言う疑問も確かにあるが、せっかくサンパウロなんだからと言うことで、現地の街並みを上手く使うべきだと思うんだけど、それをいきなりパルクールをやってるCMみたいな映像にしちゃったり、折角の抗争のシーンは本当にカオスで観念的で抽象的な絵でやってしまった。

カオス
カオス2

 アホかwww

 ってか誰と戦ってるんだよ?ユダを殺そうとしたヤツを探して復讐しろって話からこのシーンに来たんだけど、こういう奴らではないだろ。

 ネタバレになるけど、途中から物語がダレて、訳わからなくなってきて、意味ありげな映像を垂れ流して、最後にキリンに自分を殺させるユダ。この流れが全然理解できなかったのは自分の理解力不足なのだろうか?とりあえず自分にはクソ映画としか思えなかった。ブラジルを舞台にする意味もあんましわからん。最後の格言みたいのも逃げにしか思えない。

 ジョニー・トー監督でキリンとユダの親子コンビによる壮絶な復讐の話とかにしてしまえば良かったのになぁ。愛すべき役者たちの無駄遣い。

 とりあえず全くお勧めできない。
 大失敗だろこれ。


愛すべき名場面
特に無い

愛すべき名台詞
○偽者を売っていても、現金は本物なのさ

評価

(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓


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(2009/09/04)
オダギリ ジョーアンソニー・ウォン

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  1. 2010/08/02(月) 21:35:38|
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トレインスポッティング

 見よう見ようと思ってて5年くらい経ってようやく見ました。もう10年以上前の作品になるのか……なんかいつまで経っても新しいってイメージの作品なんだけれども。とりあえず、治験のために病院に入院中にベッドの上で見るもんじゃねえなって思った笑 見ている自分自身血液採取のために注射打たれまくってますから!


邦題『トレインスポッティング』
原題『Trainspotting』
1996/イギリス/94分
監督 ダニー・ボイル
出演 ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ロバート・カーライル、ジョニー・リー・ミラー、ケヴィン・マクキッド

ポスター

 スコットランドのヘロイン中毒の若者のレントンは何度目かの禁ドラッグを決意し、紆余曲折はあったものの、一応成功し、仕事も見つけ、働くことに満足感を得るようになった。しかし、それも長続きはせず……

 あらすじを書くのが難しい……スコットランドのドラッグ中毒の若者たちの青春を、ダニー・ボイル監督がスタイリッシュで生々しく、生き生きと描くドラッグ青春映画。こう書くと何かドラッグを肯定してるみたいだけどそういう訳じゃないのでご安心を。


 主人公のマーク・レントン。ユアン・マクレガー。

レントン

 レントンと書かれてるけど、マークって呼ばれてる事が多かった気がする(^^; 世間一般の幸せを意味する「安定した豊かな生活」というものに価値を見出せず、刹那主義的と言うか、今が素晴らしくなるドラッグに価値を見出している、どうしようもない悪友に足を引っ張られて中々真っ当な道を歩むことができずにいるどーしようもない若者をユアン・マクレガーが超好演。まぁどーしようもないだけでなく、爽やかにその悪友を裏切ったりもするんだけどね。そのときに心変わりもするけれど、それが長続きするかはやっぱり疑問。
 生き生きと街を走り回るのも、ドラッグの禁断症状にさいなまれるのも、鬱屈とした日々を送るのも、彼の演技はとても素晴らしかったと思う。キャラも立っているし。ユアン・マクレガーは『ブラス!』『新スターウォーズシリーズ』『ブラックホークダウン』『アイランド』『ビッグフィッシュ』と結構見ていて毎回良い演技をしてくれている気がするけど、この作品では特に素晴らしかったと思う。この映画が彼の初主演作であり出世作であるらしいが、映画の出来そのものにしても、彼の演技にしても出世作と言うのは納得。ユアン・マクレガーって言ったらオビ・ワン・ケノービのイメージが強いんだけど、こんな若々しい役もできるのかと感心した。まぁこのときは実際若かったか。
 ちなみにユアン・マクレガーの叔父が『旧スターウォーズシリーズ』のエースパイロット、ウェッジ・アンティリーズ役の人だって言うことはスターウォーズファンの間では有名な話です。


 レントンの良い友人1、スパッド。ユエン・ブレムナー。

 スパッド

 気が弱くて、仲間でなにかやるとまず損するタイプの根が良い可哀想な人。ユエン・ブレムナーはこういう役やらせたら似合うね。『ブラックホークダウン』でも『エイリアンvsプレデター』でもそんな感じはあったし。ってか良い奴か損する奴しかできないんじゃないだろうか。そういうのが顔に出てる気がする笑 どっちにしろ印象に残るキャラを演じることが多い気がする。『スナッチ』でもただパワーウィンドウに手を挟まれて走らされる可哀想なだけなのに印象に残ってるし。
 この作品中でもやっぱり印象に残るし、なんか応援したくなっちゃいます。


 良い友人2、トミー。ケヴィン・マクキッド。

トミー

 どう考えても一番良い奴で、一番真っ当だったのに主人公のちょっとした冗談のせいで全てが壊れてしまった最大の被害者。この人がそうなった責任について全く触れなかったけど、レントンはもしかして気づいてなかったのかな??とにかく可哀想。まぁでも、彼女とのアレを撮ったビデオをそこら辺においておくのもちょっと悪いかな。。。ってかなんでポスターとかフライヤーにはこいつの代わりに一応ヒロインのダイアンが載ってるんだろう……オープニングのキャラ紹介ではこいつがメインっぽかったし、実際こいつはダイアンより出番あったでしょ。


 レントンのどーしようもない悪友1、ベグビー。ロバート・カーライル。

ベグビー

 すぐ暴れる喧嘩ジャンキー。友達であるけれど仲間からは内心恐れられている。まぁ一番のクズ野郎ですねー。レントン家族と一緒に飯食ってたから、親戚か?ってか仲間のスパッドに実刑が下されたとき、スパッドの母親に「自業自得だ!」と言っちゃうようなマジDQN。そう、こういうのをDQNって言うんだろう。それをロバート・カーライルがユアン・マクレガーに負けないくらい好演。こいつが持つ狂気的な怖さが滲み出てて良かった。キレっキレっす。
 

 悪友2、シック・ボーイ。ジョニー・リー・ミラー。

シックボーイ

 あだ名かな?女ったらしで口先八丁な感じの駄目男。こいつとベグビー二人が真っ当に働き始めたレントンの家に転がり込んできたときは「こりゃ駄目だ」と妙に納得した笑
 この人は演技どうこうじゃなくて存在が良かった。一人だけスーツで決めてる事が多かったりして、ダニー・ボイル特有のいちいち格好良い絵作りに一役買っていると思うし、007オタクと言うキャラも良かった。気のせいか、ジャック・ブラックにキャラが似てる気がする。痩せたジャック・ブラックって感じ。

 こういうどうしようもない悪友みたいのを見ると高橋ヒロシのQPの先生の言葉を思い出しもしたがちょっと違うか。


 あとは良く一緒にいるドラッグ仲間の女とか、麻薬の売人とか、影の薄いヒロインとかいるけど、割愛。女二人は結構重要な役ですけど。


 下手したら鬱屈した、どうしようもない物語になるところを、さわやかにおしゃれにスタイリッシュに明るく描いてる。音楽もユーロビートっていうのかテクノっていうのか、『ピンポン』の音楽みたいに中毒性があり、映像もテンポが良いから見ていて全然飽きない。さすがダニー・ボイルって感じ。
 ダニー・ボイルの絵作りの上手さが出てる。やっぱ光の使い方が抜群に上手いんだと思う。絵がいちいち綺麗。オープニングから「おぉ」ってくるものがあるし

いちいち格好良い

 途中途中も本当にいちいち格好良いカットばかり

いちいち格好良い1

 やっぱ一人スーツのジャック・ブラックみたいなシック・ボーイが良い味出してるよね。無駄に決まっている。


 トレインスポッティングの意味は本来「列車マニア」でそこから転じて、たまり場にフラフラと集まると言うような意味になるらしい。タイトルバックでは列車のスポットライトで映し出されるタイトルと言う演出があって、それもダブルミーニング的な使い方で良かった。レントンの部屋の壁紙が列車なのもなんか面白い。


 日本でもかなりヒットして、この映画が好きっていうひとも結構いると思うのだが、確かにこれは面白いし、惹きつける魅力を持っている。ダニー・ボイル監督の独特の神々しいまでの光の描写はまだ見えないけど、それでもダニー・ボイル独特のスタイリッシュで斬新な絵作りの手腕は発揮されていて、映像のテンポも良いしそこに乗っかる音楽も良い。そこら辺は文句のつけようが無い。これは確かに面白い。普通にお勧め。個人的には『パルプフィクション』みたいにBGMとしてテレビに垂れ流してるのも良い気がする。

 ダニー・ボイル作品を順に見ていく上映会とかやりたいなぁ。



愛すべき名場面
○オープニング
○スパッドの面接
○傷心旅行
○ドラッグの幻覚
○エンディング

愛すべき名台詞
○特になし

評価
★★★★☆
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓


トレインスポッティング [DVD]トレインスポッティング [DVD]
(2009/06/19)
ユアン・マクレガーロバート・カーライル

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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/07/21(水) 11:53:58|
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成川ジロー

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