成川ジローの愛すべき○○ブログ(ネタバレあり)

管理人である成川ジローが愛すべき映画やアニメを格闘技、プロレスに絡めたりもして語るブログ。

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レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳

 近くの映画館で2週間限定上映でやってた。東京まで出向かなくてもドニー・イェンの映画が劇場で見れるというのは心底嬉しいことである。しかし書きたい映画が貯まっている。これを含め、『導火線』『処刑剣』『新少林寺』『1911』『MAD探偵』『葉問』『葉問2』など、立て続けに香港・中国系の映画をたくさん見てる。幸せ。


邦題『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』
原題『精武風雲・陳真』英題『LEGEND OF THE FIST: THE RETURN OF CHEN ZHEN』
2010/中国/105分
監督 アンドリュー・ラウ
出演 ドニー・イェン、スー・チー、木幡竜、AKIRA、アンソニー・ウォン、ホアン・ボー、ショーン・ユー、倉田保昭

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 清朝末期の時代の中国、武術の師匠であるフォ・ユェンジャアの仇を討つため虹口道場に殴りこみ、力石剛を殺害したチェン・ジェンはその後労働者に身を隠して生き延びていた。そして第一次世界大戦、ヨーロッパ戦線に借り出されたチェン・ジェンはフランスでの戦友の死をきっかけに、中国に生きて帰り占領している日本国に対して抵抗運動を行うことを決意する。、
 そして日本、イギリス、アメリカなどの各国の思惑が入り乱れる1925年の上海、チェン・ジェンは戦死した友の名を借り、自分自身を戦死した事にして極秘裏に日本軍へのレジスタンス活動を行う。各国の要人が出入りするナイトクラブ「カサブランカ」のオーナーであり裏社会の顔でもあるリウ・ユティエンに近づくが、そこで歌手のキキと出会い、惹かれあうが、彼女自身もある秘密を抱えていた……。

 最近この1900年代前半を舞台にした香港映画ばかり見ている気がする。中国にとってそれだけ激動の時代だったと言う事だろう。最近に限らず、ここら辺の時代を舞台にしたカンフーアクションはたくさんある。ってか、この映画自体がもうかのブルース・リー大先生の『ドラゴン怒りの鉄拳』のリメイク的な続編的作品なのだが(リメイクと聞いて見に行ったらスクリーンに「RETURN OF CHEN ZHEN」って出て、あれ!?続編!?ってちょっと混乱しました)、そういうのも複数あるから困る。
 まずはそれらを紹介しておこう。そうしなきゃ話にならない。
 オリジナルのブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』

ドラゴン怒りの鉄拳
ドラゴン怒りの鉄拳2
 1972年の作品です。原題が『精武門』英題は『Fist of fuly』
 初めてブルース・リーがヌンチャクを使った映画で、チェン・ジェンという超人気キャラクターが生まれました。
 柔道家設定の敵日本人が飛び蹴りをしてくる映画ですね笑

 そしてその正統な続編がジャッキー・チェンの『レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳』

レッド・ドラゴン新・怒りの鉄拳
レッド・ドラゴン新・怒りの鉄拳2

 1976年の作品。原題は『新精武門』。英題は『New Fist of Fuly』。まんま。
 ブルース・リー死後、アクションスターとして開花してきたジャッキー・チェンが続編に抜擢。中身と言うか、話の流れはほとんど変わらず、リメイクみたいなもんです。ジャッキーだから、ちょっとだけコミカルな部分もあるけど、エンディングが酷く暗く、小学生時にジャッキーアクションの爽快感を求めて見た自分の評価は低いです。

 そしてさらに、ジェット・リーを主演に置いて、リメイクしたのがこちらの『フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳』。

フィストオブレジェンド1
フィストオブレジェンド2

 割と新しめの、1994年の作品。原題が『精武英雄』で、英題『FIST OF LEGEND』
邦題は英語で伝説の拳と言っておきながらすぐ後に怒りの鉄拳とつけ、「拳」が被ってしまっている変なタイトル。ってか今回のドニー・イェンの『レジェンド・オブ・フィスト』と紛らわしいんだよ!!
 そして中身も割と改変されていて、主人公のチェン・ジェンが日本に留学中という設定で、中山忍が演じる日本人の恋人がいたりして、日本に対する描写がだいぶ良くなっている。しかし、リンチェイの学ラン姿が見れたり、袴の中山忍が相手なので大正ロマンスっぽくなったり、中ボスみたいな感じの中山忍の叔父役はちゃんと日本人の倉田さんなのに、ボスの日本人は結局ビリー・チョウだったり、色々カオス。でも、アクションなどはとても良く出来ていて、かなりの良改変だったと思う。かなり楽しめた。

 そして今回ついに、ジャッキー、リンチェイに続いてドニー・イェン兄貴が偉大なるブルース・リー大先生の作品をリメイクし、チェン・ジェンを演じた訳ですが、タイトルが紛らわしいよ!『レジェンド・オブ・フィスト』と『フィスト・オブ・レジェンド』って!リンチェイ版と被りすぎ!!頭の中でどっちがどっちだがわからなくなっちまうよ!!!なんでもうちょっと変えようと思わなかったのか……ってか噂によると、この映画はブルース・リー版『ドラゴン怒りの鉄拳』のリメイク的続編ではなく、すでにテレビドラマでドニー・イェンがそれをリメイクしていて、そのテレビドラマ版ドニー・イェン版『ドラゴン怒りの鉄拳』の続編らしいですね。なんだかややこしい(^^;

 ってか、ついにリメイクみたいに書いたけど、ドニーは既に『ドラゴン危機一髪』の方はタイトル借りてなんどかリメイクみたいな事してるから、今更な感じも。ただ、これでドニーがブルース・リーの後継者だって事が世に知られるのは良いね。

 そんなドニー・イェン演じるチェン・ジェンがこちら。

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 ポスター観ればわかるけど、ブルース・リーを意識した白装束と、これもブルース・リーのグリーン・ホーネットを意識した黒仮面姿、そして変装になってるんだかよくわからないけど、付け髭を生やした姿で登場。付け髭はちょっと変で笑えるけど、他の格好が決まりすぎ。格好良すぎる。ヤバイ。
 ただ、全体的にアクションが少なかった気がするのが難点。最初は世界大戦の戦場でをかなりお金がかかっていると思われる上に「こいつだけいれば勝てるんじゃね?」って言うような素晴らしい無双アクションをやってくれるのだが、

映画『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』予告編.flv_000036323

 それからは途中の黒仮面でのアクションがちょこっとあって、EXSILEのAKIRAとまたちょこっとアクションやって、あとはラストまでお預けな感じ。物足りない。。。質は高いんだけどね。オープニングとか特に。ただ量が少ない感じ。まぁラストの虹口道場へのかちこみで貯まったものが爆発する感じではあるけどね。
 クラブ、カサブランカを舞台にドラマが繰り広げられるんですが、そこでスー・チー演じる歌手のキキに出会う。

映画『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』予告編.flv_000068355
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 香港映画でクラブ歌手って言うと『ミラクル』のアニタ・ムイとイメージが被る。似てないけど。スー・チーは何か久しぶり。最近では『トランスポーター』以来な気がする。ちょっと前にDVDの『クローサー』で見たか。。若い頃のスー・チーって変な顔としか思えなくてなんで人気あるのか全然わからなかったけど、この年になってくると何か可愛いかもしれない笑
 んで、このキキはある秘密を抱えているのだが……スー・チーの日本語の発音でその秘密は無理があるぞおい!笑

 あと、有名どころはそのクラブのオーナーのリウ・ユティエン役のアンソニー・ウォンと曾将軍役のショーン・ユー。

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 アンドリュー・ラウ監督と言う事で、二人とも『インファナルアフェア』シリーズの縁での出演だと思うのだが、驚くほど出番が無い。リウさんはオーナーってだけで画面にはいるものの、大した見せ場も無く、曾将軍はもっと酷くて仮面の戦士の衣装を借りたチェン・ジェンに助けられるだけだった。まぁドニー・イェンのアクションのための映画だから、良いのか。カメオ出演みたいなもんかな。

 どうでも良いが、公式サイトの人物紹介のショーン・ユーはヨーロッパ企画の中川晴樹さんに似ている。

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 最近の髭を生やした中川さんにそっくりじゃないですか??ショーン・ユーはイケメン俳優なので、中川さんもイケメンと言う事だ。


 あと、地味にかなり良かったのがチェン・ジェンの友人の警察官、ホアン警部役のホアン・ボー。

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 最初はお調子者で情けない役なのだが、友人たちの死を境に覚醒し凄い格好良くなる。こういうキャラも良いし、役者さんの演技も凄い良かった。新しい気になる役者を見つけてしまった。他の映画でも見てみたい。


 敵の日本人で役があるのは三人。
 チェン・ジェンに父を殺され、目の仇にしている力石毅大佐役の木幡竜。

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 設定的には『ドラゴン怒りの鉄拳』のボスの息子って事になる。ひどいヤツだけど、チェン・ジェンを拷問から開放して正々堂々勝負したいとか言い出す、誇りの高い人。と思ったら道場生全員でチェン・ジェン一人を襲わせたりしてて、何がしたいんだかよくわからん人だった。
 全然知らない役者。『GOEMON』見たことあるんだけど、何処にいた???たぶんアクションがそんなにできない人なんだと思う。ラストの対決がこの人となんだけど、やたら短かった。ちょっと残念。


 そしてその親父の力石剛。和製ドラゴン、倉田保昭。

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 倉田さんの名前を見たとき、ドニーの兄貴と壮絶なアクションをやっていくれるんじゃないかと期待してしまったのだが、なんと回想シーンのみの出番で、その回想シーンは10秒くらいで終わってしまう。見せ場無し。アクション無し。悲しい(´Д`)
 ってかパンフの倉田さんへのインタビューに「自分の出番が少なかったから、隣で撮ってたアンディ・ラウの『新少林寺』が面白そうで遊びに行ってた」みたいなことが書いてあって笑った。


 大佐の部下の佐々木。演じているのはEXILEのAKIRA。

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 部下の中では中々の実力を持っているようで、中盤黒の仮面をつけたチェン・ジェンと死闘を繰り広げる。ってかこのキャラ皆が大佐に敬礼してたときに一人だけでかい態度取ってたり、服装が一人自由だったり、やたら自由なキャラだった。良いのか?
 EXILEとか全然わからんし、エグザイルって言ったらジョニー・トー派な僕ですが、まぁアクションとか割と頑張っていたとは思う。中ボスにしては弱すぎる気はするけど。中ボスが倉田さんで、ボスがビリー・チョウだったリンチェイ版は良いバランスだったと思う。
 
 とまぁ、普通に日本で役者として活動している人がいるのに、どうしてちゃんとした日本語を指導してないのか物凄い疑問。ってかこの人たちもまともに聞き取れる日本語を喋れてないので、ブルース・リー映画などであった変で汚い日本語を現代でもわざと喋らせているのではないかと思った。『葉問』では日本人は割とちゃんとした日本語だったし。逆にそれが味になるんだろうな。ブルース・リー世代のうちの親父も「汚い日本語にノスタルジーを感じてしまった」とか言ってたし。

 ブルース・リー作品のリメイクだから当たり前だけど、仮面の戦士の格好を見ても明らかにわかるように、随所にブルース・リー大先生へのオマージュが溢れている。話の流れはだいたい同じだし、クライマックスの虹口道場へのカチコミではドニー・イェンがヌンチャクを手にし、多すぎるだろwwって突っ込みたくなるくらいの日本人道場生を一人でボッコボコにしていくときにはブルース・リー張りの怪鳥音を叫びまくる!!

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 いやー格好良い!ヌンチャクって対多人数戦に向いてるとは全然思えないけど、ここでは外せないだろうね。ただヌンチャクを早く振り回しすぎて何やってるんだか全然わからないけれど。
 ラストバトルの一騎討ちでは、総合格闘技の要素を取り入れたドニーお得意のアクションが炸裂!!
 総合格闘技ちっくなアクションと、移動しながらの(前へ前へと相手を押し込みながらの)連続攻撃アクション、そしてパルクールアクションはドニー・イェンの十八番になりつつあるなぁと最近のドニー・イェンを見てて思いました。本当に素晴らしい。

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 日本人が相変わらずの悪者扱いなのはご愛嬌で、国を救うアメコミ的な感じの娯楽作。中国で言う仮想ヒーローの代表格なんだろうなと思う。そういうところを考えるとその国の色が見えるよなと思う。アメコミにしろ、日本の特撮ヒーローにしろ、中国のチェン・ジェンやウォン・フェイフォンなどの武術英雄にしろ、色は違えど娯楽性は同じで、自分は見ていてとても楽しめた。
 監督が『インファナルアフェア』で世界中から注目を集めたアンドリュー・ラウって言うのは毛色が違いすぎて全然気付かないと思うけど、面白いです。ってかアンドリュー・ラウに撮らせても、ドニーの映画はドニーしか目立たない形になっちゃうのね笑

 昔の香港映画が好きな人に勧めたい、今の香港映画。
 あと、ドニー・イェンが好きなら問答無用で楽しめるよ!笑
 

愛すべき名場面
○アクションシーン全て。

愛すべき名台詞
ホアン警部が啖呵切るところ。

評価
★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓


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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2012/01/05(木) 21:02:04|
  2. 映画-香港
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

孫文の義士団

 かなり久しぶりに香港映画を劇場で見る機会に恵まれた。『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』以来。正直香港映画にも餓えていた頃だったので、かなり期待していった。しかも自分の好きなドニー・イェン、レオン・ライが出る。ハードルは上がりまくる。しかし、それでもなお滅茶苦茶楽しめました。素晴らしかった!劇場で見れて本当に良かった!


邦題『孫文の義士団』
原題『十月圍城』英題『Bodyguards and Assassins』
2009/香港・中国/138分
監督 テディ・チャン
出演 ワン・シュエチー、レオン・カーフェイ、フー・ジュン、ニコラス・ツェー、ドニー・イェン、ファン・ビンビン、ワン・ポーチエ、レオン・ライ、クリス・リー、メンケ・バータル、カン・リー、エリック・ツァン、サイモン・ヤム、ジャッキー・チュン

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 清朝末期の香港、熱心に民主化を唱える、新聞社の社長で活動家のシャオバイの元に、日本から孫文が来て重要な会談をすると言う情報が入る。その情報を得た清朝側は孫文を暗殺するために、500人もの刺客を送り込む。シャオバイは協力者の商人、リー・ユータンに相談し、どうにか護衛団を結成し、孫文が香港で会談をしている間の1時間を、命を賭けて稼ぐ事を決意する。

 お話としては凄い単純。清朝の放った刺客たちから、孫文を守るために戦う話。邦画で例えると『十三人の刺客』の立場が逆になったもの。だが、この映画の持つパワーは『十三人の刺客』に勝るとも劣らず、それでいて香港映画独特の味も兼ね揃えていて、もろ自分好みの傑作となっている。ツボをついている。とりあえず、その500人の刺客から孫文を守る義士たちを含めたメインキャラクター達を紹介。


 孫文を守るために護衛団を組織する新聞社の社長、チェン・シャオバイ。レオン・カーフェイ。

カーフェイ

 中国の民主化を夢見て、革命思想を持つ後輩を育ててきた活動家。自身に戦闘力は無いが、志は誰よりも高く、戦闘に常に先頭に立って孫文の会談の1時間を稼ぐ。
 今まで自分が見てきたジョニー・トー監督作品の悪役のレオン・カーフェイはいつも狂気を内に秘めたりした怖い人間だったので、こういう弱くて焦りまくってて頑張るレオン・カーフェイは初めてかもしれない。新鮮だった。こういうキャラでも良い味出してる!


 シャオバイの活動のスポンサーである、豪商のリー・ユーバイ。ワン・シュエチー。

ワン・シュエチー

 子を思うゆえにシャオバイの活動を聞くことなく、ただお金を出すだけという立場に甘んじていたが、息子が革命を求めている事と、シャオバイの革命に命を賭けている姿に心を動かされ、シャオバイ不在の一時期に護衛団の指揮を執る。自身に武術の心得は無いが、その人柄で多くの義士が護衛に参加する事になる、護衛団の影の立役者。
 今回の作品で初めて見る役者さんだったが、とても味がある。良い役者だと思った。特に良かったのが主人であるユータン自ら料理を作り、使用人を含めた家族に振舞う、食事のシーン。その光景を見つめる眼差しはやばかった。この人凄い。

 この映画にはドニー・イェン、レオン・ライ、フー・ジュン、エリック・ツァンなどの業界トップクラスの大物からニコラス・ツェー、クリス・リー、ファン・ビンビンなどの若手スターがたくさん出演している、いわば群像劇の様なものであるが、その中でも実質主人公ポジションにいるのは誰なのかと言えば、この二人。アクションスターや、イケメン、綺麗どころ、ポップシンガーなどを押しのけて主人公はこの二人の地味なおっさんなのである。だが、それが良い。それが本当に良い!!

 この映画は前半1時間がドラマで、後半1時間がまるまるアクションと言うような構成になっているのだが、前半1時間の話の中心はこの二人。実はこの映画の自分の期待はドニー・イェンのアクションとレオン・ライの格好良さだった。にも関わらず、前半この二人にどんどん引き込まれてしまった。腕っ節が強い訳でもないこの二人。ただ、かなり良い人間なのはわかる。だからこそ、それぞれの会話が良い。敵のボスと論争したり、作戦会議をしたり、強そうな人を仲間に引き込んだり、若君とのドラマがあったり、息子とのドラマがあったり、警察署長とのドラマがあったり、人力車の使用人とのドラマがあったり。自分でもなんで見ていて飽きないのか、理屈ではさっぱりわからない。この妙味は体験しないとわからないんですね。そうやって魅せれるこの二人も演出も凄いです。
 

 この二人が組織する護衛団ですが、そのメインキャラのほとんどが孫文の革命にあまり興味が無い。だがそこが本当に良い。各々が自分の思いで命を賭けて戦いの地に赴いている。誰を守るための戦いなのかわかってない人もいる。明確に孫文の革命を望んで、志を高く持って参加しているのは、リー・ユータンの息子のリー・チョングワンのみ。

 リー・チョングワン。演じているのはワン・ポーチエ。

ぼっちゃん

 まだ若いが、決定していた留学を取り止め、命を賭けて孫文の影武者を引き受ける義士。
 初めて見る役者。誰かに似ている気がするが……その青臭さも含め、凄い良い演技をしていたと思う。この坊ちゃんとニコラス・ツェー演じる使用人のアスーの友情にも泣いてしまった。詳しくは後述。

 この人以外はそれぞれの理由で戦いに赴いている。孫文よりも、革命よりも、大事だと思うもののために。

 結婚の世話をしてくれた主人であるリー・ユータンと、年の近い友人でもあるリー・チョングワンへの忠義のために、誰を守るかもよくわからないまま二人を信じて戦う、人力車の車夫、ニコラス・ツェー。

ニコラス

 リー・ユータン専属の人力車の車夫で、特に重要な役に見えませんが、もしかしたら今回一番良い働きをしていたのはこの役かもしれない。「喧嘩は得意です」みたいな台詞はあるけど、特に強いわけじゃなく、ただただ足に自信があり、孫文を運ぶ人力車の最後の砦として身を挺して孫文を守る。
 いつもはそのルックスを生かしたイケメンの役ですが、今回は顔に傷の特殊メイクをして、ちょっと変な顔をしている。そして特に格好良いアクションがある訳でもないが、凄い演技が良い。ニコラス・ツェーってこんなに良かったか!?とびっくりするくらい。結婚を主人に頼むシーン、写真を撮るシーン、海辺にて婚約したアーチュンと束の間の幸せを満悦するシーン、どれも素晴らしいです。


 賭博好きで身を滅ぼしていたが、子供のために戦う事を決意した警官シェン・チョンヤン。ドニー・イェン。

ドニー

 賭博のための金を求めて裏でスパイ活動を行ったりする堕落した警官。元妻のユエルはユータンの後妻。堕落していたが持っている実力はかなりのモノで、ユエルにユエルとチョンヤンの間の子供のためにユータンを守るように頼まれ、それまでの駄目な自分と決別し、命を賭けて戦う。
 ドニーの兄貴だ!我らがドニー・イェンだ!!!劇場で見たのは『HERO』以来か。この人の凄まじいアクションを劇場で見れて自分は幸せです。この人の説明は長くなりますので、詳しくはこのページの最後の、追伸の部分でやります。語るべき事がたくさんあります。とりあえず現代最高のアクションスターの一人です。この作品では清朝末期の香港を再現したセットで見事なパルクールアクションを見せてくれたりする。

ドニー2

 この雑踏を飛び越えていくのは格好良くて面白い、良いアイディア。パンフによると、日本のアクションの第一人者でドニー・イェンのマブダチの谷垣氏の提案であるらしい。俺もやりたい!!
 そしてリアル格闘家のカン・リーとの戦いは総合格闘技の動きを取り入れたアクションで、まさに死闘。もう映画の中で多少浮いちゃってる程の濃くて熱いアクションを見せてくれます!
 また、この映画では最近はあまり見られなかったコミカルだったりアットホームだったりするドニー・イェンもちょこっと見られる。

ドニー3

 昔は色々コミカルな役とかもやってたけど、最近はその迫力をメインに押し出したキャラばっかりだったから、なんか新鮮に感じた。問題があるとすれば、一つ、メイクミスなのか、弁髪にすると頭部が膨らんでるように見える事(^^; うーん。頭でかいのかな?


 チョンヤンにこっそり護衛を頼むユエルは、ファン・ビンビン。

ファン・ビンビン
ファン・ビンビン2

 子供のために、前の夫に今の夫を守ってくれるように頼む。
 最近よく見る人なんだけど、凄い綺麗な人ですよね。目の大きいところなんかはちょっとロザムンド・クワンに似てるかもしれない。たぶんこれからもどんどん出てくるんだろう。自分の中では、自分の好きなヴィッキー・チャオ
 
ヴィッキー

 に匹敵する美人だと思う。


 清朝の刺客に殺された父親の仇を取るために戦う、ファン・ホン。クリス・リー。

クリス

 革命に協力していた父親と、多少の軋轢はあったものの、絆は本物で、孫文がどうとか革命がどうとかには一切興味が無く、ただ、父の仇を取るために孫文護衛に協力する。
 クリス・リーって言うから最初は「ジャッキーのスタントチームの人、こんなに大きく取り上げられてるの!?」ってびっくりしたけど、同じ名前なだけでした(^^; 現在のトップレベルのポップシンガーだとか。いわゆるアイドル系の可愛いとか、美しいと言った感じの容姿ではないけれど、映画初出演にしては演技も問題なかったと思うし、アクションも割としっかりこなしてた。

クリス・リー2

 良かったと思う。主題歌もこの人だったらしい。すぐ後に用事があって、映画本編が終わったらすぐ劇場を出てしまったので、聞けてないですorz

 父親のファン・ティアンはなんとサイモン・ヤム。

ヤムヤム

 朝廷を追われ、劇団に身を隠し革命の好機を待っていた元将軍。シャオバイに協力を頼まれるも、そのときに刺客に襲われ、娘だけはどうにか隠し、自身は最後まで戦い抜いて死亡。
 髭面のシブいヤムヤム。今回は珍しくカンフーアクションをしている!『天使の眼、野獣の街』で敵同士だったレオン・カーフェイと共闘か!?と思わせきや、カーフェイの方が戦闘員じゃなかったので、一人で奮闘してました。


 清朝政府が気に入らず、その奴隷となってる警察に啖呵をきったユーバイを気に入って戦いに参加する巨人の臭豆腐売り、ワン・フーミン。メンケ・バータル。

 面家・バータル

 元少林寺の僧侶だが、その身に付けた技術を試した事は無いらしい、心優しい巨人。良いキャラ。
 その大きな身体の存在感がやっぱり良い!それでいて顔が優しげだから、この巨人がアスーたちと一緒に飯を食べたり和気藹々としてるシーンはとても雰囲気が良い。どうやらバスケ選手でNBAでもプレイした事があるらしい。身長211cmで、歩く万里の長城とか呼ばれてるとか。その経歴を生かしたバスケ殺法は中々良かった。

バスケ殺法

 野菜で刺客の頭にダンクを決めたり、ぶん投げたり。格好良い!やっぱりこういう『七人の侍』ものは、それぞれのキャラにわかりやすい特徴があると良いね。


 ユーバイへの恩のみのために命をかけて戦う、愛する者のために全てを失くした浮浪者、リウ・ユーバイ。レオン・ライ。

 レオン

 「若君」と、おそらく皮肉を込めて呼ばれている浮浪者。

レオンホームレス

 元々は名家の人間であり、愛してはいけない人を愛してしまい、全てを失ってしまったと言う悲しい過去を持つ。ユーバイは事情を知っており、何かと気にかけていて度々お金を恵んでいた模様。元々死地を探していた気配があり、ユーバイへの恩のために、一番の難所を引き受けた。
 『ヒーロー・ネバー・ダイ』の記事を読めばわかるけど、自分はレオン・ライが大好きで出番をいまかいまかとずっと待っていて、護衛団がピンチでようやく目的地の一つにたどり着いたとき、そこに髭を剃り、髪を梳かし、正装して待っていたレオン・ライの姿を見たとき、『ヒーロー・ネバー・ダイ』に続いてまたも格好良すぎて泣いてしまいました。

レオン2

 満を持して登場。格好良すぎるだろ!!それまでの戦いで次々と人が死んでいって、テンションが高まりまくってたって事もあるけどさ、本当に格好良かった。画面に現われたとき、キターーー(・∀・)ーーー!!ってマジで思った。やっぱレオン・ライはこういう悲しみを併せ持った悲壮な格好良さが合う。
 珍しくレオン・ライもカンフー・アクションをやるのだが、武器が鉄扇。シブいわww激シブ。そして強い。やっぱレオン・ライはこうでなくちゃ。


 護衛団に加わりはしないが、中国人の誇りと職務の間で苦しみ、最終的には協力してくれる良い署長シー・ミーフを演じるのはエリック・ツァン。

エリック

 連行する!と言いながら、多くの警官を率いて護衛団を護衛する。やたら格好良い署長。
 エリックはもうコミカルな役をする事ないのかな……こういう格好良い役もマフィアのトップの役も良いんだけど、福星シリーズでエリックを知った身としては、なんか寂しい気もする。まぁ今回の立派な髭を生やした格好は、「そういえばこのちょっと後の時代が『プロジェクトA』の時代なんだよなぁ」と思わせてくれると同時にちょっと笑わせてもらいましたけどね。



 敵の清朝の敵役としては、キャラの数は少ないけれど圧倒的な存在感を放っていた。
 刺客たちのボス、イエン・シャオグオ。フー・ジュン。

フー・ジュン

 自分なりの思想で孫文を暗殺し、革命を防ぎ中国を強くしようとしている護国の志士。敵にもドラマがあり、フー・ジュンの演技力と相俟ってかなりの存在感を出していた。腕っ節もおかしいくらい強く、人力車を素手で簡単に破壊する。敵ながらその信念を貫き通した生き様には天晴れである。
 見てる最中は怖く見せる特殊メイクのせいもあってか「何処かで見た顔だな?」とぼんやりとしか思えてなかったが、フー・ジュンだったか。『インファナルアフェア2』のアンソニーの相棒だったり、『レッド・クリフ』で一番格好良かった趙雲の人ですね。この人もほんとに良い演技。迫力ありすぎ。この映画見たあとすぐ『カンフーサイボーグ』を見たので、そのギャップに笑わざるを得なかった笑 


 チョンヤンを付けねらう、暗殺団のNo2、チェンシャン。カン・リー。

カン・リー2

 執念の化け物。総合格闘技とパルクールの動きを盛り込んだドニー・イェンとの闘いはマジ死闘。『導火線』のコリン・チョウとの死闘よりは劣るものの、このドニー・イェンvsカン・リーのアクションも素晴らしいものがある。
 カン・リーこんなところで何やってんだ!?www プロの総合格闘家の人です。しかも滅茶苦茶強い人です。ストライクフォースミドル級のチャンピオンだった事もある、ガチの人。あの化け物染みた体力設定も納得です笑


 とまぁ、キャラ紹介はこんなところなんですが、本当に豪華。金かかってるよこの映画。そして清朝末期の香港を再現した巨大セットは上海に8年がかりで作られたらしい。それら豪華な素材を、この映画は見事に生かしている。傑作である。監督のテディ・チャンは『ダウンタウン・シャドー』や『アクシデンタル・スパイ』の人。それらのあんまり好きじゃないから、凄い人になったなと言う印象。最初の1時間に及ぶ人間ドラマ部分も、実際に1時間だったらしい、1時間の時間稼ぎの部分も本当に素晴らしかった。後半の方は時間が無くてテディ・チャンの友人で早撮りの天才のアンドリュー・ラウ(『インファナルアフェア』シリーズの監督)が部分的に監督したものもあるらしい。ゲスト監督も豪華だな。ロバート・ロドリゲスの作品の一部を監督したタランティーノみたいなもんかな。

 前半のドラマ部分でほとんどのキャラに愛着を持ってしまい、レオンはまぁ死ぬだろうと思いながらも、皆に生き延びて欲しくて、特にニコラス・ツェー扮するアスーなんて死亡フラグがビンビンに立ってるけど本当に生き延びて欲しくて、そういうキャラたちが次々と命を落としていくのは、それぞれとても悲しかった。アスーと坊ちゃんの互いを思いやりながらも、作戦を続けるためにお互いに泣きながら人力車に乗り込み、それを走らすシーンではちょっと泣いてしまった。アスーが最後までシャオグオの足を止めるシーンも、良いし、ドニー兄貴のチョンヤンの最後に見る光景とかも、涙を誘います。泣き所ばかりです。そして熱いです。こういう、死力を尽くして時間を稼ぐみたいな展開はツボです。大好きです。
 最終的に生き残ったのが親父たちだったけど、その親父達が本当に良い人間であるのが救いと言えば救い。若い力が、しかも孫文とか革命とか知ったこっちゃ無いって言うような若い力が革命の礎となる。熱く、悲しい話である。

 リアリティを考えると清朝本気で刺客放ったんならライフルもっと持ってこいや!とか、アヘン中毒の浮浪者がいきなりそんな動けるわけ無いだろ!とか、何も手をだすなとか、警察サボりすぎだろ!とか、色々突っ込みどころはあるのかもしれないが、それらをグチグチ言うのは野暮すぎるし、それらを吹き飛ばす熱烈なパワーがあるのが香港映画。この映画は、中国香港合作ですが、香港映画色が強い様に感じました。映画鑑賞中は大部分が自分にはたまらない部分だったのでニヤニヤしっぱなしだったし、それでいて泣きもしたし、もう映画終わって拍手したい気持ちになりました。

 単なる歴史物に収まらず、熱い戦いと新しいアクションなど、見所満載のエンターテイメント映画として完成させたのは凄い。テディ・チャン監督、天晴れ。

 最近はまた香港映画が結構日本に入ってくるようになってきて、本当に嬉しい限り。こういう名作をどんどん日本の映画館で上映してほしい。

 とにかく、見てみろ!



愛すべき名場面
○ユータンがシャオバイは死んだと思い、その意思を継ぎ、署長に啖呵を切り護衛団を作る決心をするシーン
○ユータンが人を集めるシーン
○アスーが主人の結婚のお世話を頼むシーン~写真屋で写真を撮るシーン。
○ユータンが作った飯を振舞うシーン
○後半1時間全部(ワン・フーミンの闘い。ホンの最後。署長と警官たちによる行軍。若君の登場、無双、最後。チョンヤンの死闘、最後。アスーとチョングワンの絆。シャオグオの無双。)

愛すべき名台詞
○あさって、結婚しよう。
○親不孝をお許しください!
○文明の幸福を求めるのなら、文明の痛みは避けられない。その痛みが、すなわち革命だ

評価
★★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)


予告編↓



P.S.
紹介しとかねばならない男、ドニー・イェン。
宣伝ではこの映画の主演のような扱いをされているが、主演ではない。でも彼は本当に凄い漢なのである。

どにー

 まだ日本では浸透している名前ではないと思う。知らない人がほとんどだろう。だが、世界的にはすでにかなり有名な男だ。ジェット・リーの北京市業余体育学校時代の同期で、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地大乱』でリー・リンチェイと素晴らしいアクションを展開し注目されるようになり、『ブレイド2』などでハリウッドにも進出。知名度ではジェット・リーの方が上だが、個人的に、映画のアクションの腕前と言うか、素手アクションのランキングがあるとすれば、彼はジェット・リーよりも上である。っていうか世界一だと思う。世界のアクションスター、ブルース・リー亡き後、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ジェット・リーなどが彼の後継者と言われたりもしたが、もっともブルース・リーの後継者と言うのがしっくり来る人もこの人だし、古い形のアクションもできれば今までに無い新しいアクションも演出してくれる。アクションコーディネーターとしても優れている。ちょっとナルシストなところも良い笑

 ここ数年の作品の、『孫文の義士団』でのカン・リーとの死闘、『SPL/狼よ静かに死ね』でのウー・ジンとのとてもつもない警棒vsナイフのアクション、『導火線 FLASH POINT』でのコリン・チョウとのアクション映画史に確実に残る死闘は、どれもドニー・イェンのベストバウト上位3つだと思う。同時に、もしかしたら全アクション映画のベストバウトもドニー・イェンが独占してしまうかもしれない。パルクールアクションや総合格闘技の動きを取り入れたリアル志向の格闘アクションは自分が目指すアクションの方向性と一緒であり、見ていてとても勉強になる。素晴らしい。
 アクション映画に興味がある人だったら避けては通れない漢なので、知っておいて損は無いと思います。
 彼がブルース・リーの師匠、イップマンに扮する『イップマン』二部作もレンタルが開始されたし、序章はまだこれから映画館でやるし、是非、みんなに知ってもらいたい役者です。

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  1. 2011/06/27(月) 21:07:56|
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エグザイル/絆

 世間一般でエグザイルと言えば、何か歌ったり踊ったりする人たちだよね。自分はその人たちをマジで全然知らないのだけど、きっと格好良いのだろう。だけどね。世の中にはもっともっと格好良いエグザイルがあるんだよ。エグザイルって言ったらそっちなんだよ。このブログを見てる人にはわかってもらえると思うが、エグザイルと言ったらやっぱり格好良い親父達の熱い物語、『エグザイル/絆』なんだよ。歌いも踊りもしねえ、必要最低限の会話しかしねえ激シブでボンクラな親父たちが銃を撃ったりふざけあったりする映画。それがエグザイルってもんだ。


邦題『エグザイル/絆』
原題『放・逐』英題『Exiled』
2006/香港/109分
監督 ジョニー・トー
出演 アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ニック・チョン、ジョシー・ホー、サイモン・ヤム、ロイ・チョン、ラム・シュー、ラム・カートン、リッチー・レン、エレン・チャン、エディー・チョン、ホイ・シウホン、タム・ビンマン

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 中国返還目前のマカオ、以前組織のボス、フェイに銃弾を撃ちこみ逃亡していたウーは妻のジンと生まれたばかりの子供と共に安らぎを求めて戻ってくる。そこに二組の男達がやってきた。一組はウーを殺すために組織から派遣されてきたブレイズとファット、もう一組はそんなウーを組織から守るためにやってきたタイとキャット。彼らはウーと幼馴染であり、固い絆で結ばれていた。ブレイズは組織の命令と板ばさみになりながらも、タイと共にウーの家に入り、やがて銃撃戦が始まる……

 ロケーションの使い方が抜群に上手く、また格好良いボンクラな男たちを撮らせたら右に出るものはいない、もはやジョン・ウーを超えた感すらある人間国宝レベルのジョニー・トー監督による香港ノワール。超名作であり、漢の教科書ともいえる『ザ・ミッション 非情の掟』のキャストを再び再結成して作られた、いわば『ザ・ミッション 非情の掟』のパラレル的な続編とも言える映画。これもまた面白くないわけがなく、格好良くないわけがなく、もう本当に痺れてしまう大傑作となっている。「この映画の良さがわからない男は消えろ!」とまで言いたくなってしまう程。個人的にはジョニー・トー映画のベスト5に入る。いや、もう本当にたまらないわ。

 最初、ウーの家にタイとキャット、そしてブレイズとファットが訪ねてくるシーンから始まるんだけど、それぞれ家をノックして、ジンに居ないと言われて広場に行き、4人が顔を合わせるところ。最初っから最高の旨み成分がガンガンに出ていて、ワクワクが止まらない感じになる。ヤバイ。

守る二人
殺す二人
4人
4人1

 たまらんwww
 このあらすじだとウーが主人公っぽいポジションになる気はするけど、主人公はあくまでそのウーに会いに来た4人。

 ウーを殺しにきたブレイズ。アンソニー・ウォン。

ブレイズ1

 ボスのフェイには殺せと命令され、殺したくは無いものの組織の命令は絶対なので苦悩する中年。結構優秀な殺手で、ボスであるフェイの信頼も厚く、ブレイズ自身もフェイには結構良くしてもらってたんだろうなと想像。感情を押し殺してあまり喋らない寡黙な親父。
 相変わらず激シブなアンソニー・ウォン。途中フェイに横っ面ひっぱたかれまくるシーンがあるが、そんな苦悩する姿も格好良い、見事なボンクラっぷり。最近は『ハムナプトラ3』何かにも出ていたが、やっぱりこの人はこういうボンクラ親父がぴったり。『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』と役柄がかなり被っているけどこっちの方が先で、こっちの方が面白いです。


 そのブレイズに従うファット。ラム・シュー。

ファット

 この人も組織の殺し屋の一人なんだろう。女好きな巨漢。綺麗な娼婦を見つけたらずっとニヤニヤしている。でも他の4人同様腕は確か。
 やっぱりジョニー・トー作品にはこの人がいなくては。って感じで相変わらずの存在感を見せる常連さんのラム・シュー。今回はそこまで目立った活躍は無かったかな。


 ウーを守りに来たタイ。フランシス・ン。

タイ1

 おそらく組織の一員ではないけど、組織からの仕事を受けたこともあるフリーランスの殺し屋みたいな立場なんだと思う。ブレイズに真っ向から意見を言える頼もしい兄貴。ブレイズとは対照的で、結構感情を表に出す。おしゃべりと言うわけではないが、ギラついてる感じ。
 最近、フランシス・ンを上手く扱えるのはジョニー・トーだけなんじゃないかと思うようになった。『インファナル・アフェア2』のフランシス・ンは素晴らしいが、他のジョニー・トー作品じゃない映画でフランシス・ンが出てくると全然格好良くない。と言うか、格好悪い。『軍鶏』も『ヒロイック・デュオ』も、映画の出来もアレだが本当にフランシス・ンを活かせてないなぁと思う。このフランシス・ンは痺れます。『ザ・ミッション』も良かったがこれも良い。アンソニー・ウォンと別の方向の迫力が素晴らしいです。


 そのタイに付き従うキャット。ロイ・チョン。

キャット

 銃が好きで、夢は銃砲店を開く事であるらしい。おそらくこいつもタイと同じ立場で、タイの相棒として二人で仕事をしてきたんだと思う。
 背が高くスマートで格好良いが、リッチー・レンの銃の腕前を見てはしゃいじゃったりする子供っぽいところがちょっとかわいい笑 『ザ・ミッション』のときよりかは目立たなくなったが、相変わらずクール。『インファナル・アフェア2』ではかなり怖い凶悪な迫力も出してたし、器用な役者なんだなと思う。


 この4人の中心にいるのウー。ニック・チョン。

ウー1

 組織のボスであるフェイを暗殺しようとして失敗、逃亡するも安らぎを求めて妻と子と共にマカオに戻る元組織の一員。おそらく子供が生まれたから逃亡生活に限界を感じて帰ってきてしまったのだと思う。
 演じているニック・チョン。『ニュースメーカーズ』というタイトルでロシアにてリメイクされ、これからアメリカでのリメイクも決まっているジョニー・トーの革新的なアクション映画『ブレイキング・ニュース』での物凄くしつこく、めげない刑事役が印象に残っている。良い意味で地味な役者だと思う。『インファナル・ディパーテッド』と言うタイトルはアレだがアンソニー・ウォン、フランシス・ン共演の潜入捜査官ドラマでも二人の間に入って主演を果たし、好演していた。
 実際アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ロイ・チョン、ラム・シュー、そして後で紹介するけどサイモン・ヤムと言った激シブ過ぎるメンバーに囲まれたポジションを他上手くこなせるというか、周りに食われず、それでいて食わずバランス良く存在できるのは彼しかいなかった気がする。ラム・カートンでもイケるかもしれないが彼は大事な役で出てるし若すぎる気がするし、ラウ・チンワンだと全員食っちゃう恐れがあるし(笑)、レオン・ライだとスマート過ぎる。レオン・カーフェイでは年を食いすぎている。ジャッキー・ロイは一体何処へ行った??と言う事で、やっぱ地味にベストな選択じゃないかと。

 話の中心はこの5人。この5人はタイの「この世界に入るときも一緒だった!」と言う言葉と、

団欒5

 この序盤とラストに挟まれる写真から、幼馴染であり、ずっと一緒であった事がわかる。ってかこの写真、一番右がラム・シューで左から二番目がフランシス・ンであることはなんとなくわかるなwww一番左がなんとなくニック・チェンに似てる気がする。真ん中がアンソニー・ウォンで、右から二番目がロイ・チョンか。それぞれの学生の頃の写真を合成したのかな?
 とにかく、その絆は今も健在で、今回のような状況となってしまった。5人がどういう関係であったか、ウーがフェイに銃弾を撃ち込んだ事件の詳細の説明は特に無いが、それを不親切と思わせずに役者たちの空気で5人の関係性などはわからせるジョニー・トーの演出は流石。と言うか説明がないのが逆に良い!始まってから必要最小限の台詞のみで映画は進み、ウーの前に表れた5人。特に言葉も交わさず説明の無いまま、キャットとファットを見張りとして外に残し、ウー、ブレイズ、タイが家の中に入り、無言のまま銃を向け合う。
 ここでこの映画最初の銃撃戦。「ここがもう最初っからクライマックス!」って言いたくなるくらい痺れる!

 まず、ウーが二人に自分の銃を見せる。

弾丸合わせ1

 ウーが使っているのはS&WのM10。

ウー

 この銃撃戦の事もあるが、後々ウーの奥さんも使うので結構印象に残る。見てのとおりのリボルバー。リボルバー式の拳銃の宿命と言うか、弾は6発しか入りません。
 それを見たブレイズ、何も言わずに自分の銃の弾丸を床に落とし、15発入るマガジンから9発抜いて6発にする。

弾丸合わせ2

 それを見たタイも暗黙の了解の様に自分の銃の弾数を6発に合わせる。

弾丸合わせ3

 そして全員の銃の弾数が6発になり、M10のスイングインを合図にところで開戦!

オープニング

 ドアが吹っ飛び、互いのスレスレの位置を弾丸が飛んでいく!格好良すぎるだろ!!笑
 ちなみにブレイズが使っているのはグロック17。

ブレイズグロック

 世界で初めてパーツに強化プラスチックを使用し、大ヒットしたオーストラリア産の名銃。強化プラスチックを使ってるから税関を通り抜けられるというアホなデマがかなり広まりました。
 タイが使うのはベレッタM92F。

タイベレッタ

 『ダイ・ハード』『リーサル・ウェポン』で使用されて有名になったイタリア製の名銃。この銃が出ない銃撃戦映画なんて無いってくらい頻繁に出てきます。
 ここでは二人はこれらの銃を使ってましたが、結構色んなシーンで別の銃を使ってたりするから、特に銃にこだわりを持っていたりはしないんだな。

 ここの戦いは6発撃ち尽くしたウーとタイに対してブレイズは弾を残していた。一枚上手だったブレイズに対してタイは投げナイフで牽制。

ナイフ1
ナイフ2

 このフランシス・ンも滅茶苦茶格好良かったな。ブレイズがウーに銃を向け、タイはブレイズにナイフを向ける。これからどうなる!?ってところでウーの赤ちゃんが泣き出して、その泣き声で場は収束。シーンは突然引越し(ウーが運んできた家具を家に入れる)と団欒に変わる。

引越し

 さっきまで殺し合いをしていたのが急に仲良くお引越し。このギャップが良い。こいつら本当に仲良いんだなぁ……。
 夫の無事を祈り、怯えきっていたウーの奥さん、ジンも落ち着いて、皆に料理を振舞う。ちなみにウーの奥さん、ジンを演じているのはジョシー・ホー。

ジン

 普通の家庭の幸せを望み、夫を信じて子と共に待つ妻。
 この人全然知らない人だったけど、調べてびっくりしたのが、三池崇史監督の『DEAD OR ALIVE FINAL』にメインキャラで出てたことね。全然わからなかった。
 あとこの人の父親がマカオのカジノで知られるホテルのオーナーであるらしい。マカオでの撮影が少しやりやすくなったりしたのかな??

 殺し合いから一転して皆で飯を食う。ここのシーンは本当に良い。

団欒1
団欒2

 つい先刻の銃撃戦での銃弾が鍋に残っていて、ブレイズのスープに銃弾が入っていて皆吹き出してしまったり、

団欒3
団欒4

 皆で記念写真撮ったり、2回目撮るときにウーの椅子を引いてコケさせたりwwww『ザ・ミッション』のタバコ花火とか紙くずサッカーに通じるものがある、なんともいえない暖かみの可笑しなあるシーン。
 撮ったこの記念写真も、ポスターやフライヤーに使われるくらい程の良い写真。やっぱりフランシス・ンとアンソニー・ウォンの格好良さは真似できないな。。。

 その後、ブレイズはウーを殺さなければならず、ウーは殺すなら最後に妻と子にお金を残したいと提案し、5人で組んで最後の仕事をしてお金を稼ぎ、決着はその後と言う事にする。仕事はもちろん「殺し」で、5人は仲介屋のいるホテルへ。

 仲介屋のジェフ。演じているのはチョン・シウファイ。

ジェフ エディー・チョン

 なんかキザっぽく、且つホモっぽい動きをする変な人だった。
 最初はあまり良い仕事は無かったが、同じタイミングでホテルにやってきたマカオ地区をフェイから預かっているカッチョンがマカオで勢力を増している組織の若きボス、キョンの暗殺の話を持ってきて。5人はそれを受けることにする。
 カッチョン役はタム・ビンマン。

カーチョン仲介タム・ビンマン

 ジョニー・トー映画の常連らしいが、あんまり記憶に無いな……。人の良いおじさんて感じの人。

 マカオの若きボス、キョンはラム・カートンが演じる。

キョン

 部下みたいのが最後まで全然出てこなかった気がするので組織のボスとしてどうなの?って感じはするが、腕っ節は強そうで、荒事にもなれている感じ。迫力がある。
 ラム・カートンは最近のジョニー・トーのお気に入りな気がする。個人的には好きなので、これからの香港ノワールの力として頑張って欲しい。

 キョンと勢力争いをしている香港マフィアの大物、フェイ。演じるのはサイモン・ヤム。

フェイ3

 過去にウーに銃弾を撃ち込まれ、ブレイズに殺しを命じたボス。
 良いおじさんから、真面目な刑事、暗黒街のボスなど、幅広く何でもこなせる、ラム・シューと並びジョニー・トー作品の顔とも言えるヤムヤム。今回も狂気的で執念深い組織のボスを熱演。画像の玉を撃たれるシーンとか、その痛みを我慢しながらもキョンに協力を強制するシーンとか、やっぱ凄いなぁって思う。

 あと本筋と直接的な関係はないものの重要なポジションのキャラがここで登場する。ホテルの向かい側の部屋には娼婦。女好き設定のラム・シューは終始ニヤニヤしている笑
 娼婦役はエレン・チャン。
 
娼婦エレン・チャン

 かなり美味しいポジション。運が良い。
 綺麗な人だけど、全然知らない(^^;
 5人の娼婦を見たファットに対する「買っちゃえよ」みたいなやりとりは何でか微笑ましい。

 キョンを仕留めるべく、5人は指定されたレストランへ。そしてキョンに攻撃を仕掛けようとしたそのとき、キョンと敵対しているはずのフェイがやってくる!困惑し、緊張するウーたち。

ウー2
タイ2
複雑

 特にブレイズは複雑。フェイに「何でウーが生きて一緒にいるんだ?」と迫られ、何度も顔をはたかれて顔を見ることが出来ない状態。

ブレイズ板ばさみ

 フェイがブレイズの頭に銃を向けた瞬間、ウーブレイズを庇いフェイに発砲。結果、フェイはウーに再び弾丸を喰らい大切なモノを……笑

フェイ1

 しかしウーも撃たれてしまい、フェイもキョンも殺せぬまま5人は敗走することに。

血しぶき

 ちなみにこの作品では撃たれると血しぶきが霧のように舞う。

敗走

 ここの銃撃戦も凄い格好良い。それぞれがやる事をわかっている感じ。タイがウーに肩を貸し、キャットとファットが道を切り開き、ブレイズがバックアップ。『ザ・ミッション』のジャスコ程ではないにしろ、同じ臭いのする格好良さ。


車内1

 車で逃げるときのタイのブレイズに対する「お前は死んでたんだ!ウーがお前を庇わなかったら、お前は死んでたんだぞ!何がウーを殺すだ!?」って感情をぶつけるシーンも良い。ブレイズとタイの性格の違いが見て取れる。

 同じ頃逃げたフェイは自分のタマの痛みに耐えながらも「手を組まないと殺す」とキョンを脅し、その迫力にキョンはフェイと手を組む事にする。

フェイ2

 ヤムヤムの顔芸と言うか、この人ホントに鬼気迫る不気味な迫力があった。

 5人はウーを闇医者のところに連れて行くのだが、すぐにその場にフェイも治療にやってきて、その闇医者の家で再び銃撃戦。この銃撃戦も凄い。

病院
病院2

 狭い室内で、カーテンに遮られたまま開戦。近い・華麗・格好良い、三拍子揃った銃撃戦。流石ジョニー・トー!万歳!って言いたくなりますね。

病院3

 その外に出てからの銃撃戦も高低さのある面白い構図で、やっぱり良い。
 そこでさらに銃弾を喰らってしまったウー。どうにか車に連れて行き逃走するも、もう助からないのは明らか。残された4人で「どこにいく?」と途方に暮れていると

車内2

 顔面蒼白のウーがむくりと起き上がり、「家に帰る」と言って静かに力尽きる。ささやかな家族の幸せを望んだ男の、切ない最期。一度裏社会に足を踏み入れたら早々普通の世界に戻る事なんてできないんですね。ましてやボスに銃弾を撃ちこんだとなっては……
 仕方なく夫の帰りを待つジンのところへ死体を連れて行く。夫の遺体を見たジンは説明させる間も無くすぐさま銃を取り、泣きながらブレイズとタイに発砲。車で待機していたキャットとファットと合流してさっさと逃げる。このシーンは間とフランシス・ンとアンソニー・ウォンの逃げっぷりがやけに面白くて、切ないシーンなのにちょっと笑ってしまう。

ジン2

 右手に夫の形見の銃。左手に赤ん坊を抱える姿、両手にストレートな生と死の象徴を携えた姿は悲しい。『トライガン』の一巻にも似たような姿の人が出てきて、まぁそのときはエプロンに猟銃だったが、ヴァッシュ・ザ・スタンピード曰く「お寒い光景」「子供にゃあ見せられない」。個人的に凄い好きな絵面ではある。

 その後目的を失った4人は当ても無く、コインの裏表で道を決め彷徨う。

放浪

 このシーンは映画館で見たときは「ちょっとダレるなぁ」って思ったけど、DVDで観たらそうでもなかった。まぁダラダラしたシーンであることに違いは間違いは無いんだけどね。こいつらがやると味が出てくる。

 ダラダラした旅路の末、4人は偶然ジェフから聞いていた金塊を運ぶトラックの一団と遭遇。一度はコインで襲わない方に決めるも、その後トラックが他の襲撃者に襲われているところに遭遇(歩いてたのにどうやって追いついたんだ?ってことは気にするな)。そこで襲撃者たちを相手取って孤軍奮闘しているチェン軍曹と出会う。
 金塊を警備していたチェン軍曹。リッチー・レン。

チェン1

 ウィンチェスターM70スコープ付きで敵を一人ずつ確実に仕留めていくナイスガイ。
 登場こそ終盤で出番は少ないのに妙に印象に残るキャラと言うか、ずるい出で立ちと言うか、美味しすぎるポジションの人。是非このリッチー・レンのスピンオフが観たい!ラウ・チンワン辺りとやってくれ!!

 このチェン軍曹の格好良い姿に銃好きのキャットはテンションが上がってしまい、加勢することに。

4人3

 加勢するけど敵全部倒したらもちろん金塊は頂くよって事でその後はチェンにも銃を向ける。

4人4

 それでも引かないチェンだったが、ブレイズが間に入ってチェンを仲間にすることに。金塊盗まれて生きてたらどっちにしろ疑われて死刑だから、実際仲間になるか死ぬかの選択。酷いもんだwww

 夜、5人で金塊を得た事ではしゃいでいるところにフェイからジンを預かったと電話が入る。ジンはブレイズたちを探し回っていた。その話を断るわけにはいかず、チェンと別れる4人。「夜明けまでは港で待っている」とチェン。こいつ新入りなのにめっちゃ格好良いわ。。

チェン2

 こうして4人は再びジェフのホテルへ。4人は酒を飲み、写真機で悪ふざけをしいたところで、ウーが生前赤ん坊に与えた鈴の音が響く。全員が揃ったホテル。そこで4人は金塊を渡し、取引を提案。そしてジンに「港で男が待っている」と伝えて逃がし、パーティが始まる!

 ジンを逃がしてからの音楽の入りと4人の笑顔がマジで良い。

笑顔1
笑顔2
笑顔3

 全ての覚悟を決めたボンクラ親父たちのこの笑顔、たまらんwwww
 フェイは感付き、たまたま持っていたレッドブル(笑)を投げつけるも、4人はそれをサッカーボールのようにパスをして繋いでいく。

パス1
パス2
パス3
パス4

 最期にブレイズのキックでレッドブルがホテルのロビーに高く上がったところで開戦!

ラスト1
ラスト2
ラスト3

 もうアホか!ってくらいに近い。そしてレッドブルが地面に帰ってくる頃には決着は付いていた。見事にウーの仇を取った4人。最期は部屋に潜んでいて銃声が止んだ頃に出てきて金塊を持っていく娼婦を見て笑って力尽きる。本当に格好と良過ぎるボンクラどもの最期。素晴らしい。
 ちなみにレッドブルは小道具が間に合わず本物のカンで何度もパスやってロイ・チョンが頭から血を出したらしいです。おいwww

写真

 そして決戦前にふざけあっていた写真が現像され、再び幼い頃の写真でフィニッシュ。いやー、ジョニー・トー、お見事様でした。

 相変わらずオープニングの公園とか家のシーン、キョン暗殺を実行するところや闇医者のカーテン芸、高低差、そして最期のホテルでの決戦など、ロケーションの使い方が抜群に上手く、ライティングも素晴らしい。観ていて本当に飽きない。音楽も非常に良い。ただ、特に脚本が無く即興で話を作っていったからか、けっこう細かい粗はたくさんあって、中盤の中だるみはある。まぁそれらを気にならなくさせるパワーと味をもった素晴らしい作品であることも確かだから、全く気にせずに手放しでベタ褒めするくらいハマってしまう人もいるだろう。説明不要の面白さってこういうことなんだろうな。個人的にはウーが死ぬまでは100点満点。名シーンのオンパレード。その後のダレと、もうちょっとキャットとファットのキャラを描いて欲しかったかな。
 ジョニー・トー作品の中では 『ヒーロー・ネバー・ダイ』『ザ・ミッション 非情の掟』に次ぐ大傑作。自分の中でこの3本柱は同時に香港ノワール映画ベスト3でもあり、相当の映画でなければこのランキングは揺らがないだろうなと思う。これらを凌ぐ作品ってのはめったにない。寂しいことだけれど、ジョニー・トー作品を鑑賞できる状況に居る事は素直に感謝。

 ジョン・ウーとは違う新たな境地を極めたジョニー・トー。まだオーランド・ブルーム主演の『仁義』のリメイクとかの予定があるらしいから、これからもまだまだジョニー・トー監督には香港ノワールというものをどんどん世界に広めていって欲しい。ジョニー・トー万歳!香港ノワール万歳!!愛してまーす!!!



愛すべき名場面
○オープニング
○キョン暗殺失敗の銃撃戦
○車内
○闇医者の家での銃撃戦
○リッチー・レン登場
○焚き火の前で金塊の事ではしゃぐシーン
○ラスト

愛すべき名台詞
○家に帰る


評価
★★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓


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P.S.
タイトル

 相変わらず黒澤明リスペクトの筆書きなのか、ぶっとい文字でのタイトル。原題は『放・逐 EXILED』「EXILED」の意味は「追放」とか。だいたい合ってる。邦題は時期的に一般的に言うエグザイルと間違われてしまいそうなのは狙ってやってるんだろうか?

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  1. 2011/01/19(水) 20:28:44|
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プロジェクトA2 史上最大の標的

 2011年になりました。2011年の映画レビュー第一弾は何にしようか悩みました。年明けそうそう見たのはブルーレイで買った『第9地区』だったのですが、これはもうレビューやっちゃってあるし、やっぱこのブログらしく香港映画で、ジャッキー・チェンで行こうと思いました。


邦題『プロジェクトA2 史上最大の標的』
原題『A計劃續集』
1987/香港/105分
監督 ジャッキー・チェン
出演 ジャッキー・チェン、マース、タイ・ポー、クリス・リー、ケニー・ホー、マギー・チャン、ロザムンド・クワン、カリーナ・ラウ、レイ・ロイ、トン・ピョウ、クワン・ホイサン、ラム・ウェイ、ロー・ワイコン、ベン・ラム、チャーリー・チャン、チャン・ウーロン、リー・ホイサン、ジュ・ティッワ

ポスター

 20世紀初頭の清朝末期の香港。A計画で海賊の討伐に成功した沿岸警備隊のドラゴンは1つの地区の警察署長を任される。その地区は前任者であるチン署長が悪党と組んででっち上げの犯罪で功績を立てていた問題の地区で、指名手配犯が悠々と街で賭場や娼館を経営し、警察内部にも賄賂がはびこる無法地帯であった。そこに配属されたドラゴンと沿岸警備隊の仲間たちは唯一賄賂を受け取っていないホー巡査から情報を得て、苦戦しながらも街を仕切る悪党のタイガーの逮捕に成功する。ドラゴンの仕事は順調にいっているように見えたが、前署長のチンの復讐や国を良くしようとする革命団を弾圧しようとする清朝の陰謀に巻き込まれ、さらにそこに前作の海賊団の生き残りが復讐を誓ってやってきて、ドラゴンは命を狙われてしまう。

 ジャッキー映画のベストと呼んでも良い大傑作『プロジェクトA』の続編。あれだけの面白い作品の続編となるとかなり期待されるが、その期待に見事に応えたジャッキーアクションの集大成的な作品になっている。惜しい事に前作でジャッキーと並んでかなりの存在感を出していたユン・ピョウとサモ・ハン・キンポーは『イースタン・コンドル』の撮影でスケジュールが合わず、香港三銃士作品とはならなかったが、その抜けた二人の穴をジャッキーが一人で頑張っていて、ジャッキーしか持ちえないのアイディアが存分に発揮されたユーモア溢れるアクションになっており、あの二人の存在は確かに惜しかったがそのおかげで生まれたジャッキー・チェン孤軍奮闘大活躍劇となった。ユン・ピョウとサモ・ハンを出していたら前作を超えるも並ぶのもかなり難しかっただろうけど、方向性がかわったおかげで違うアクションとなり、それが大成功したと個人的に思う。
 もちろん、ドラゴン、ジャガー、フェイの3人が出る物語も『プロジェクトA3』として見たかったけどね(^^; 残念ながらこのシリーズはこれで終わってる。

 とりあえず物語を追って役者を紹介していきます。
 続編だから当然だけど主人公は沿岸警備隊のドラゴン。今回も監督・脚本・主演をこなすジャッキー・チェン。

ジャッキー・チェン

 前作から引き続き登場の主人公。正義感が強い。前作で手柄を立てているのでちょっとした英雄で、沿岸警備隊の総監たちと特別なコネがあって色々と助けてくれる。
 ジャッキー・チェン、1954年生まれなのでこのとき33歳。脂の乗った全盛期後期。33歳って言ったら普通の人はきっと運動に関しては「年取ったなぁ」って感じで老け込んでいるのだろうけど、ジャッキーはまだまだバリバリ。キレにキレまくったアクションを随所で見せてくれるし、体を張った危険なスタントもまだまだやれる。本当に凄い人だよこの人は。

 物語的にはあまりつながり無いんだけど、設定は前作からところどころ引き継がれているので、沿岸警備隊の仲間達は今回も健在。

おなじみの面々

 左から"大口"こと、マース、ジャッキー、クリス・リー(前作では特に名前とか無かったと思う)、"ひょうきん"ことタイ・ポー。
 クリス・リーは全然わかりませんでしたが、大口とひょうきんの二人組みは前作から変わらずあんまり強くない間抜けな役どころで、悪党と逮捕しに行くところではやっぱりさっさとやられてしまいます笑

 このメンバーで新しい地区に就任し、ドラゴンが新署長としてその地区を牛耳る犯罪者のリーダー、タイガーを逮捕しにいくのだが、賄賂もらって責任を果たす気の無い駄目警官たちは「こんな安月給で犯罪者逮捕なんて危ない事できません。辞めます」とか言い出してドラゴンを困らせる。
 そんなカス警官たち。

警官隊

 自分は把握できていないのですが、ジャッキースタントチームの人が数人ゲスト出演しているそうです。
 この中でも特に駄目っぷりが目立ったこの人。

リッキー・ホイ

 この人はリッキー・ホイ。香港でコメディ俳優として有名なマイケル・ホイやサミュエル・ホイの兄弟。ゲスト出演ですが、このと画像のときの、ジャッキー十八番の椅子アクションでやられた後の「助かったぁ」って言う情けない顔が印象に残っています。ここ以外でも真っ先にジャッキーに因縁をつけたり、悪口言ったり、早退するって言い出したり、このメンバーの中じゃかなり目立ってます。

 そんな腐敗した警察の中で唯一賄賂ももらってなく、協力してくれる新人警官のホー。

ケニー・ホー

 ケニー・ホーと言う人で、このパターンならこの人のポジションは結構メインになってくる気がしますが、大口やひょうきんと同じくあんまり強くないうえに大口、ひょうきんと比べて圧倒的にキャラが薄いのであんまり目立ちません(^^; ある意味勿体無いですね。

 とにもかくにもこのメンバーで悪党の集まる場所へ乗り込む。

ケニー、マース、ジャッキー、クリス・リー、タイ・ポー

 しかしながら相手のタイガー率いる犯罪者軍団は一人一人が中々強い上に警官を全然恐れない大物で、人数も多い。

チャーリー・チャン悪役軍団

 ジャッキー以外のメンツはさっさとやられてしまい、ジャッキーも一人頑張るけど形勢は圧倒的に不利のまま、窮地を迎える。
 ちなみにこのタイガー。演じているのはチャーリー・チャン。

チャーリー・チャン

 やたら迫力のある役者さんで、凄い雰囲気があったんだけど、なんとこの人は実際マジモンのマフィアの人だったらしい……。どおりで怖いわけだよ。ジャッキーも一度負けちゃうわけだよ。

 一度は負けて、窮地に陥るもそこに沿岸警備隊を率いてチー総監が援軍にやってきて、悪党を全員逮捕することに成功する。

 チー総監は前作と同じキャストのクワン・ホイサン。

クワン・ホイサン

 ……あんた沿岸警備隊をライバル視してた陸上警察の総監じゃなかったっけ???(^^; 今作では何故か沿岸警備隊のトップになっていて、全面的に味方。何があった!?
 画像無いけど、ドラゴンに優しい総督の娘のイザベラ・ウォンも前作から引き続きの登場です。顔見せ程度ですけどね。

 ってか、この沿岸警備隊が援軍にやってきて形勢逆転したあと、悪態をついたタイガーとその部下にジャッキーが「俺に勝ったら、解放してやる」と言って戦い、拳で決着をつけるシーンがあるんだが、自分が最初に見たテレビ版ではなんとその戦いのシーンがまるごとカットされていた。幼心に「ジャッキーが負けて終わった!?」とショックを受けたシーンである。やっぱ勝たなきゃ駄目だよ!

 前作でも悪党の巣窟に殴りこみに行くシーンはかなりのクオリティだったが、今回もこの殴りこみシーンは素晴らしいアクションをしている。ジャッキーの対複数の戦闘がかなり面白いし、タイガー役のチャーリー・チャンら、敵たちもかなり良い動きをしている。

 ジャッキーの階段落ち。

階段落ち1
階段落ち2
階段落ち3
階段落ち4

 そして、チャーリー・チャンの決死のスタント。

落下1
落下2
落下3
落下4
落下5
落下6

 これ下に置いてあるツボがワンクッションになってるとは言え、そのせいで後頭部から落ちてるように見えるんだけど……マジ大丈夫なのか??
 本人が落ちているのかどうかわからないけど、これはヤバイ。

 この死闘を制し、逮捕して署に戻ると元署長のチンは驚愕。カスの集まりだったその署の警察官たちが手の平を返して忠実に職務をこなすようになる。……良い様に見れば、ジャッキーのおかげで気力を取り戻したとか、タイガーを逮捕できたので、この街で正義を全うするのが不可能でない事がわかったとか、そういう風に取れなくも無いが、でも納得いかん。こいつら全員クビにした方が良いだろ!!

 紹介が遅れたけど、悪徳署長のチン。ラム・ウェイ。

ラム・ウェイとローワイコン、ベン・ラム

 真ん中の人ね。ジャッキー作品のチラホラ出ている。このブログでも『サイクロンZ』とかで紹介しました。今回はメインキャラで、ちょっぴりヘタレな悪徳警官と言う、なんともいえないキャラです。強くも無く、弱くも無く、どこかセコイ笑
 右の部下はもはやお馴染みのロー・ワイコン。元プロのキックボクサーでムエタイ経験があり、ジャッキー・チェンのボディガードもやってたりするリアル強い人。『酔拳2』でのボスの足技が印象に残ります。その他、色んな作品で顔を見ることができる、ジャッキースタントチームの一人です。最新作の『ラスト・ソルジャー』にも出てたし。顔を確認すると何かちょっと嬉しくなります。今回は全くと言って良いほどアクション無いけど。
 左の部下は多分ベン・ラムさん。この人もジャッキースタントチームの人です。このキャラでは全くと言って良いほどアクション無いけどね。きっとアクションシーンでスタントやってるはず。

 これから少し登場勢力が増えて話が複雑になってくる。
 まずは国を憂い、清朝政府に反抗し革命を起こそうとしている革命党員たち。

 リーダー格のクァン。ロザムンド・クワン。

ロザムント・クワン

 組織の幹部っぽく、革命党員に指示を出したりする格好良いお姉さま。
 今回は『七福星』や『サンダー・アーム龍兄虎弟』のときのような守られるヒロインでもなく、リー・リンチェイの『ワンス・アポン・ア・アイム・イン・チャイナ』シリーズのちょっと間抜けな可愛いヒロインでもなく、とても凛々しく強い女性を演じている。ワンチャイ好きな人には新鮮な感じがするだろう。自分はこういう強い女性が好みなので、このロザムンド・クワンは知ってる出演作の中で一番好きです笑


 もう一人の幹部のマン。レイ・ロイ。

レイ・ロイ マン

 男の幹部。とても行動力のある人で、幹部っぽいけどなんでもかんでもやってる。
 なんともいえない顔立ちというか、とても印象に残る顔をしているんだが、他の作品では観た事ない気がする。


 結構末端の方の構成員で花を売って寄付をつのっているサンサンとソウリン。左のサンサンがわかりづらいけどマギー・チャンで、右のソウリンがカリーナ・ラウ。
 
マギー・チャン、カリーナ・ラウ、ロザムント

 悪い警官に寄付金を没収されそうになるところをジャッキーたちに助けられて知り合う。この画像は知り合いの総督の娘の誕生日パーティーかなんかのときで、みんなドレス姿。やっぱドレス姿もロザムンド・クワンが一番綺麗だと思う。
 マギー・チャンは『ポリス・ストーリー』シリーズのジャッキーの恋人キャラよりは幼く、ちょっとお転婆な感じ。
 カリーナ・ラウは反対にちょっと強気だが、その方向ではロザムンド・クワンに食われちゃってる気がする。

 マギー・チャンは後々『HERO』で世界的に有名になるし、カリーナ・ラウも『インファナル・アフェア』シリーズと言う世界的に有名な大傑作に結構良いキャラで出演している。『プロジェクトA』と同じくこの作品ではラブロマンスなんてまるで無いが(女優のヒロインっぽい事といえばこの作品も前作も一緒に逃げる事くらい)、今思うと非常に豪華な女優陣だった。


 で、このパーティー会場のシーンはこの作品のコメディの一つの見せ場であるというか、自分はとても気に入っている。

ジャッキーとマースの正装

 タイガーを捕まえて今回のパーティーの警護主任に選ばれたドラゴンと大口、ひょうきんらのメインの部下が革命党員たちに出し抜かれてしまうシーンなんだが……ここでいきなりクイズです。ジャッキーは下の画像のどこにいるでしょう!!


ジャッキーを探せ1
ジャッキーを探せ2
ジャッキーを探せ3

 まぁ画像で見ると割と簡単なんですが、この暗い中に隠れるときに絵と一体化するというジャッキーのアイディアに当時の自分は爆笑した記憶があります。すごい面白かった。照明具合もドンピシャで、本当に面白いなと思った。ジャッキーの敬愛するバスター・キートンやハロルド・ロイドのコメディ映画からのアイディアかな?素晴らしい。
 あと、ダンスシーンが地味に長回しで凄い。


 その後ジャッキーは出し抜かれて冤罪をかけられ、逮捕されてしまうのですが、汚名を晴らすべく捜査でサンサンの家に聞き込みに行く。
 しかし、この家にジャッキーが着た頃にはソウリンが清朝政府の密偵に銃を突きつけられていて……と言う、一つの家の中に3勢力が集合してしまうというこの映画の中でも最高のコメディシーンが始まる。

 まずはソウリンを拉致した密偵たちが入ってくる。

問題の家のシーン1

 次にサンサンとマンが家に帰ってきて、ソウリンと密偵は隠れる。
 次にドラゴンとホーが入ってきて、マンは隠れる。
 その後陸上警察長官トンがやってきて、ドラゴンもホーも隠れる。
 陸上警察長官役のトンは、ジャッキー映画ではお馴染みのトン・ピョウ。

トン・ピョウ

 前作では陸上警察長官はクワン・ホイサンだったんだけどね(^^; まぁこの人は『ポリス・ストーリー』シリーズの印象が強いから、ジャッキーの上司と言うキャラが似合う似合う!

 そこにチン元署長も清朝政府密偵側についてやってくるのだが、流石にもうパンパンでサンサンにさっさと追い返されてしまうwww
 こうして家の中はタンスの中に隠れる密偵の一人と人質となったホーとソウリン。

問題の家のシーン2

 中二回の物置で銃を突きつけられているマンと密偵の一人。

問題の家のシーン3

 そしてそれらに気付いてどうにかしようとしているドラゴンとサンサンとトン。

問題の家のシーン4

 この3グループの誤魔化したり隠れたりするドタバタはかなり面白い。文章で説明できるもんじゃないから是非見て欲しい。特に日本語吹き替え版ではトンとサンサンが密偵たちの気を散らすためにいきなりオペラのように歌いあいだすのだが、その吹き替えが滅茶苦茶面白い。

サンサン「あぁ~!!香港で一番強いのだぁれ~!!」
トン「そりゃ警官だぁ~!」
サンサン「あぁ~!!香港で一番悪いのだぁれ~!!」
トン「そりゃ警官だぁ~!」
 
 って感じで自分は腹抱えて爆笑してた。やってることも、その歌も、本当に面白かった。

 その状況をどうにかクリアーするとドラゴンは今度はチン元署長に手錠をかけられ連行されてしまう。これはチン署長が刑務所所長と手を組んでいてドラゴンの命を奪う作戦であったのだが、今度はその状況に前作の海賊の生き残りたちがドラゴンの命を狙って介入してくる。

にくめない海賊達

 こいつらは悪い奴のはずなんだけど、間抜けでどこか憎めない。最後の方ではドラゴンに命を救われてドラゴンを許す事にするのだが、そのときの会話が
「ドラゴンは親分を殺したんだぞ!」
「海賊を退治するのが仕事なんだから仕方が無いだろ」
 とか言い出す。いったいどの口がそんな事言うんだよ笑
 演じているのはどっかで見たことある人たちばかりなんだが、おそらくジャッキースタントチームのベニー・ライやジョニー・チャンら。こいつらの斧を使ったアクションは良い。そしてそのときのドラゴンとチンの状況は手錠で繋がれている。

手錠アクション

 まるで気の合わない二人が手錠で繋がれて一緒に逃げる、手錠アクションと斧アクションが相俟ってここのアクションシーンも素晴らしい出来となっている。見所の一つ。
 余談だが、この手錠アクションは自分の作っていた自主映画『学ランファイター』シリーズの3作目でやる予定であった。企画段階でしか無かったが、新キャラの悪徳刑事ハマー、もしくはヒロインのエリと主人公が手錠で繋がれながら謎のスーツ軍団から逃げ回るアクションの予定だった。引っかかったら腕とか滅茶苦茶痛いんだろうけど、このアクションは一度やってみたかったなぁ……いや、やってみたい。今後やるかもしれません。

 とりあえず海賊達からどうにか逃げ切ったドラゴンとチンだが、今度はチンの罠でドラゴンは捕まり、色々あって革命党員たちと和解後、再び捕まってしまいしょうゆを作る機械に投げ込まれてしまう。

しょうゆ工場

 大重量のコンクリに押しつぶされてしまうような、小さい頃に見たらトラウマになる事請け合いのシーン。これは結構怖かった。でもドラゴンは調子こいてる裏切り者のネクタイを掴んで脱出。そこからドラゴン+革命党員(と言ってもほとんどドラゴン一人)vs清朝政府密偵+チンの長い壮絶な戦いが始まる。

 密偵たちのボスはこの人。

特使

 特使らしい。役名も無く俳優の名前も知らないが、非常に嫌味な顔で良い笑

 その特使の部下の実行部隊がこの3人。左からチャン・ウーロン。リー・ホイサン。ジュ・ティッワー。

チャン・ウーロン、リー・ホイサン、ジュ・ティッワー

 みんなどこかで見たことある気がするが、ん?左のチャン・ウーロン……この人は特に『五福星』でも出てたけど……

チャン・ウーロン

 あんた前作の『プロジェクトA』で違う役で出てたじゃねーかwww続編なんだから出ちゃまずいだろ!!まぁ『大福星』の続編『七福星』でもディック・ウェイは別の人の役で普通に出てきましたけどもね(^^; ジャッキー映画ではアクション俳優が続編で違う役で出てくるのはご愛嬌なんでしょう笑

 ここでの戦いは一度マンがレイ・ミステリオも真っ青な見事な超速飛びつきフランケンシュタイナーを見せる。

フランケン1
フランケン2
フランケン3
フランケン4
フランケン5
フランケン6

 見た目にも迫力がある良いアクションだったんだが、この敵がその後普通にドラゴンを追ってきたからまるでダメージ無かったんだな……(^^;

 クァンとサンサンと言う二大ヒロイン(クァン役のロザムンド・クワンはリー・リンチェイのヒロインとして有名。サンサン役のマギー・チャンはジャッキー・チェンのヒロインとして有名)と共に屋根を逃げるというアクションで実際の女優さんにもアクションやらせて頑張っていたが、途中で足手まといになるとクァンが悟り、ドラゴンに大事な手帳を預けてリタイア。マンもいつの間にかリタイアしてて、実質ドラゴン単騎での決戦となる。
 ここのアクションは本当に素晴らしくて、マット・ハーディとジェフ・ハーディのハーディーズもびっくりな長い梯子を使ったアクションや。

はしご1
はしご2
はしご3

 高所からの大ジャンプ。

凄い高さ

 高所の竹渡り。

はしご渡り1
はしご渡り2
はしご渡り3
はしご渡り4

 など、ジャッキーアクションの集大成とも言うべきアクションの連続。
 組み手も密偵たち3人がかなり手強くドラゴンはやや劣勢となり、そこで編み出したのが秘技、唐辛子拳!!

とうがらし拳1
とうがらし拳2
とうがらし拳3

 大量の唐辛子を食って自分の身体に活を入れる、なんとも恐ろしい技だ。
 これには密偵の二人も唖然。

とうがらし拳4

 だが、効果は凄まじく、この二人の目に見事唐辛子をこすりつけることに成功し、二人は目を塞がれ倒される。恐るべし、唐辛子拳!!

 その後は最後に残ったチンを追撃。
 ここではチンの攻撃により竹組から落とされるのだが、

竹落下1
竹落下2
竹落下3
竹落下4
竹落下5
竹落下6
竹落下7
竹落下8
竹落下9

 途中に竹があって、それが地面に付く前になんども衝撃を和らげるように思えるが、よく考えてみて欲しい。竹だぞ。しなるつってもかなり固い。しかもこの高さ、これ死んでもおかしくないぞ(^^; 地味に前作の時計搭落ちと同じくらい危ないんじゃないだろうか。ジャッキーは本当に凄い。

 そして最後は大きな看板に潰されながらも無事なドラゴン。

ラスト1
ラスト2
ラスト3
ラスト4
ラスト5

 これも破れやすくしてある箇所があるとしても、凄い怖いよなぁ。。。
 残った特使もトンが「な~にが特使だ!」と言って蹴りを入れる。

なにが特使だ

 良いのかよ(^^;
 『ポリス・ストーリー』のラストと同じく、この暴力行為は誰も見てないことになりました笑
 これにて一件落着。


 物凄い長々と書いてしまったが、この映画は前作の『プロジェクトA』に勝るとも劣らない傑作である。この映画もジャッキー映画5本指に入ると思う。特にコメディ部分のアイディアが素晴らしく、ジャッキーのアクションのセンスだけでなく、コメディのセンスにも感心して、誰でも笑って楽しめるエンターテイメント作品になっていると思う。サモ・ハンとユン・ピョウの二人が抜けたのは確かに寂しいのだが、ジャッキーの奮闘により上手く別の作品としての差別化ができていて、この映画も前作と同じジャッキー映画の一つの到達点になっていると思う。見てない人は損している。それは確実。
 ただ一つ、邦題の「史上最大の標的」の意味だけはよくわからなかった。


愛すべき名場面
○腐敗警官たちとのアクション
○タイガー一味との戦い
○パーティ会場で絵に溶け込むシーン
○サンサンの家での騒動
○海賊達に追われながらの手錠アクション
○ラストのアクション

愛すべき名台詞
吹き替え版でのマギー・チャンとトン・ピョウの歌の掛け合い。



評価
★★★★★
(★ 五つが最高。☆は0,5点)


予告編↓


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  1. 2011/01/09(日) 21:07:11|
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ラスト・ソルジャー

 前回のジャッキー・チェンハリウッド進出30周年記念映画の『ダブル・ミッション』があまりにも酷くて、今回も見る前から「大丈夫か?」と不安になったり、それでも中国でのジャッキー映画の興行収入を塗り替えたから期待を抱いたり、複雑な心境で東京に見に行った。


邦題『ラスト・ソルジャー』
原題『大兵小将』英題『Little Big Soldier』
2010/中国・香港/95分
監督 ディン・シェン
出演 ジャッキー・チェン、ワン・リーホン、ユ・スンジュン、ドゥ・ユーミン、リン・ポン、ユー・ロングァン、ロー・ワイコン

ポスター

 紀元前227年の中国の戦国時代、数多くの国が戦争状態の中、梁と衛で壮絶な戦いがある戦場で行われた。その戦場ではどちらの国の兵士も全滅したかに見えたが、一人の梁の兵士が自らが作った偽物の矢で死んだふりをして生き延び、どうにか国に帰るために食料や馬などを探していたところ、別に生き残っていた梁と衛の将軍同士の戦いに遭遇し、梁の将軍は倒されてしまうが、衛の将軍も深手を負い、気を失う。それを見ていた梁の兵士は手柄を得るためにその敵国の衛の将軍を捕らえ、梁の国に帰ろうとするのだが、何故かその将軍は衛の別の将軍から狙われていて、二人は奇妙な逃避行を繰り広げる事になる。

 とまあ、ポスター見ればわかるけど、ジャッキーには珍しい歴史物。最近は『THE MYTH/神話 』やら『ドラゴン・キングダム』やら半歴史物に出てたけど、完璧な歴史物ってこれが初めてかも知れないな。とりあえず自分としては初めてのジャッキーの歴史物。まぁサモ・ハンもアンディ・ラウの『三国志』に出演してたし、年を取って渋みや味、貫禄が出てくると自然と歴史物の出番が多くなるのかもしれないな。そんなんで大丈夫か?って言う不安もあったけれど、とても良作だった。多少間延びする事があるも、話はちゃんとしているし、途中途中のギャグは中々良い出来で映画館で普通に笑ってしまったし、ジャッキーのアクションも、ジャッキーが強い役では無いので、それ程ボリュームはないもののちゃんと見せてくれる。本当に「良い映画」。だから結構楽しめた。ただ、自分がジャッキー映画に求めているものってのは「良い映画」では無いので、物足りなさはあったし(まぁジャッキーの年を考えたらこれで十分とするべきなのだろう)、これがジャッキー映画史上No.1ヒットって言うのは「よくわからんなぁ」と疑問に思ってしまう。みんなこういうジャッキーが好きなのか……。嫌いじゃないけども。

 とりあえず今回のジャッキー。梁国の一兵士であり、名前は無かったと思う。

梁の兵士

梁の兵士2

 小心者でどうにか戦を生き延びようとする一兵士。農民の出身で、敵の将軍を捕らえて国に帰れば土地をもらえるとの事で敵の将軍との奇妙な逃避行を始める。
 なんか今の他の作品と比べたら少しだけ若返ってる気がするけど、気のせいかな。まあ老兵に見えちゃまずいからね。56歳のジャッキー・チェン。プロレスラーで言えば藤波辰爾と同い年。衰えは目立つものの藤波もまだまだ現役でプロレスやってる。この世代の人たちは元気だなぁ。ってかジャッキー56歳でこの動き、化け物や。
 
 
 今回のジャッキーのバディ。衛国の将軍、これも名前は無かった気がする。演じているのは台湾のアイドル、ワン・リーホン。

衛の将軍

衛の将軍2

 ある秘密を持ち、自国である衛からも命を狙われていて、ジャッキーよりも腕前は強いのだが足に怪我を負っていて、そこに付け込まれてジャッキーに拉致られている。
 台湾のアイドルらしいんだが……この人格好良いか?(^^; この人の持つオーラと言うか、そういうのも含めてキャラとして魅力不足な感じが否めなかった。ってか、サモ・ハンと加護ちゃんカオスな共演を果たした『カンフー・シェフ』の主人公も台湾のアイドルのヴァネス・ウーで、ヴァネス・ウーもこのワン・リーホンもアクションは頑張っているけどそんなに上手くないし、個人的に全然格好良く見えなくて、台湾アイドルってのが今香港映画で押されてるみたいだけど、それって地雷なんじゃないかと思う。普通に香港のアクションできる若いので良いじゃん。まぁ客寄せ話題性のためなんだろうけど、ジェット・リーの後継者と呼ばれてるウー・ジンとかじゃ駄目かね?
 とりあえずこの二人のバディムービー兼ロードムービー。本当に凸凹コンビだよ。

バディ

 そんな二人の敵。将軍を命を狙い、追跡するウェン太子。ユ・スンジュン。

弟

 追っ手の大将であるが、メイン武器が小型ボーガンって言う、完全に小物が使う武器。まぁ基本的にお付きの師匠みたいのに操られている小物なんだけどね。ただ、そのボーガンを使ったときのジャッキーと他の兵士とのギャグシーンは凄い面白かった。
 ユ・スンジュン。なんか韓国のアイドルらしい。ジャッキーの脇をアイドルが固める時代になってきたか……。


 そのウェン太子を操る側近のウー。ドゥ・ユーミン。

部下ウー

 このハゲが結構良い味を出している。金的を打たれたときも、牛に吹っ飛ばされたときも、良い味を出していた!笑
 ちなみに奥に映っているのはもうジャッキー映画ではお馴染みの、ジャッキーのボディガード(今はもうやってないと思うけど)で『酔拳2』のボスとかやってたロー・ワイコン。部下の中じゃトップだったらしく、蛮族での戦いでしんがりを守って戦死。結構目立ってた。こうなるとやっぱマースとタイ・ポーもどっかに出てて欲しかったけど、いなかったなぁ。あの二人が出ればもっともっとコメディ色強くなるけど。


 ジャッキーら二人を追っているウェン太子とウーをさらに追う蛮族の人たち。

蛮族
蛮族2

 ボスの女みたいのが三国無双の祝融みたいな感じだったのと、みんなザンギエフみたいな変な髪形をしていたのが印象に残る。ってか、ボスの女が死んで復讐だ!みたいになったけど、他の一般兵みたいのが結構死んでるのは別に良いのか??


 あとはよくわからんキャラ、二人と道中で偶然出会い、馬を盗む謎の女。リン・ポン。

女

 ちょっと詩的な存在と言うか、いまいちどういう存在なのかがわからなかった。ヒロインではない。まぁでも、綺麗な人だったし、この人がいなかったらこの映画には男しか出てこなくなる。俺は別にそれでも良いと思うけど、駄目なんだろうな。

 あと、画像は無いけど途中突然出てきて将軍を助けるけど裏切っただろって決め付けられて殺されちゃう可哀想な兵士役として、ユー・ロングァンが出てた。


 主なキャラクターはこんなもん。そこまで意外性があるイベントが無いため道中ちょっとだれるのが惜しい。なんかもっともっと道中寄るところを面白おかしくできなかったもんか……。まぁ色々不満は残るものの、良作ではある。ジャッキーハリウッド進出30周年記念作品の『ダブル・ミッション』よりかは何倍も面白いし、価値はある。ただそこまで突出したモノが無いのと、往年のジャッキーファンからすれば物足りなさはあると思う。寄る年波には……ってヤツだから仕方ないんだけどね。まぁ楽しめるよ。ギャグパートのキレは結構良い。

 ジャッキーはこういうのをやりたかったのかとシミジミ思う。応援するけどね。


愛すべき名場面
○矢のコント
○牛が突っ込んでウーが吹っ飛ばされるところ

愛すべき名台詞
○特になし

評価
★★★☆
(★ 五つが最高。☆は0,5点)

予告編↓




P.S.
ジャッキー映画なのでNGシーン集があるのだが、今回は終わり方が悲しい感じなだけに、もう少し間が欲しかった。なんか即NGシーン集に入っちゃたので、物語の余韻とか全部ぶち壊しです。笑えるラストなら良いんだけどさ。

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  1. 2010/12/24(金) 18:17:25|
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プロフィール

成川ジロー

Author:成川ジロー
暴力は嫌い。
お酒も嫌い。
女性に弱い。
お金は無い。
誠意はある。

評価は
★=1
☆=0,5
五つ星=★★★★★が最高評価です。

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